TWO MULES FOR SISTER SARA
監督: ドン・シーゲル
音楽: エンニオ・モリコーネ
出演: クリント・イーストウッド、シャーリー・マクレーン、マノロ・ファブレガス、アルベルト・モリン、アルマンド・シルヴェストレ、ジョン・ケリー、デヴィッド・エスチュアルド
1970年 アメリカ映画


子供の頃、タイトルに騙されて、マカロニばりのアクション・ウェスタンを期待してTVで観てガッカリした作品。
しかも、吹き替えが山田康雄バージョンじゃなくて、違う人の吹き替えだったのでさらにガッカリしてしまいました。
第一印象があまりに悪かったので、この映画しばらくはあんまり好きではありませんでした。
でも、DVDで久しぶりに観て、認識を新たにしました。
字幕版で観たら結構、面白かった。
やっぱり吹き替えの声優さんって大事ですね。
映画の雰囲気ががらりと変わってしまう・・・・。
メキシコを舞台に、流れ者のガンマンと尼さんというヘンテコなコンビが、
革命のどさくさで一攫千金を目論むというようなお話です。
イーストウッドとシャーリー・マクレーンの掛け合いがおかしいユルユルな雰囲気でお話が進むウェスタンで、
尼僧シャーリー・マクレーンには、実はもう一つの顔があって実は・・・・・という種明かしが最後に待っています。
この2人、どっちかといえば、シャーリー・マクレーンの方が目立ってたなあ。
アクション監督ドン・シーゲルが、肩の力を抜いて撮ったようなあまり緊張感の無いウェスタンで、
派手なアクションは爆弾を使った列車襲撃シーンぐらいかなあ。
個人的には、イーストウッドのガンファイトが少なめでちょっと残念。
とぼけた味わいのあるオモシロ・ウェスタンです。


音楽は、イーストウッド作品では「続・夕陽のガンマン」以来のコンビとなるエンニオ・モリコーネ。
イーストウッドとのコラボなので、当然、マカロニ・ウェスタンなニオイのするスコアを期待してしまうのですが、
本作は、とぼけた作品なので、マカロニ臭はわずかです。
その分、モリコーネお得意のふざけた音がたくさん入った、
映像同様のとぼけたスコアになっています。
テーマ曲は、教会音楽風の女性コーラスと、乾いたギター、いろんな笛の音、ウェスタン系のバイオリン
それにお馴染みの「ブ~」っていう変な音、これらをツギハギしたようなヘンテコな曲です。
最初、聴いた時は西部劇のテーマとしての高揚感なんてあったもんじゃなくて、
「何なんだ、これ」って思ってしまいましたが、何度も聴くうちに慣れてしまいました。
面白い曲です。
劇伴は、激しいウェスタンスコアはほとんど無く、派手なのは列車襲撃シーンのスコアぐらい。
マカロニ・テイストのアコースティックギターを中心とした静かなスコアがメインです。
でも、これがなかなかニヒルな味わいがあって、お部屋のBGMに流して聴いても違和感がありません。
但し、曲によっては例の「ブ~」や奇妙なフレーズが入るので、自分一人で聴く分には問題ありませんが、
第3者がいるところで聴くのは控えましょう。
「なに、これ?」って言われます。
サントラは、イタリアで「天国の日々」とカップリングされたものがCDで発売されています。
イーストウッド作品では、この映画以降、モリコーネが登板することは無いのですが、
個人的には、イーストウッドが死ぬまでにまたB級でパチモンなウェスタン撮って、
音楽をモリコーネにやって欲しいなあ。
でも、モリコーネって、かつてタランティーノからのスコアのオファー断ったことがあるらしいし、
真面目で気難しい人だったら、もうマカロニ・ウェスタンみたいなのやらないかもなあ。

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