IL CARTAIO
監督: ダリオ・アルジェント
音楽: クラウディオ・シモネッティ
出演: ステファニア・ロッカ、リーアム・カニンガム、フィオーレ・アルジェント、クラウディオ・サンタマリア
2004年 イタリア映画
ファンの間ではあんまし評判のよくないアルジェントのサスペンス。
オカルトじゃないし、ジャーロでもない、なんとなく中途半端な出来の作品です。
しっかり本邦では劇場未公開となってます。
この人、「サスペリア2」、「サスペリア」のインパクトが強すぎて、
それ以降の作品に恵まれていないような気がします。
特にヒドイのがオカルト系、サスペリア3部作といわれた「サスペリア」、「インフェルノ」、「サスペリア・テルザ」。
まともなのは「サスペリア」だけ。
「サスペリア・テルザ」は、オチの無いあまりに唐突なラストにあっけにとられたし、
「インフェルノ」に至っては、映画そのものが破綻していました。
まあ、この人の作品は駄作だろうがなんだろうが、
散々腐しておいて、これからもしっかり観つづけるんだろうなあ。
ガンバレ、アルジェント。
さて、この映画、ストーリーを簡単に言うと、女性を誘拐しては警察にネットポーカーを挑む殺人鬼と女刑事の戦いを描いていて、
拉致された女性はネットを通じて警察側のPCに表示されていて、
ポーカーに警察が勝つと女性を解放し、負けたらその場で殺害するというもの。
ネットを使った犯罪という着眼はよかったのですが、
せっかくのアイデアが生かされていないのが残念。
さらに、アルジェント作品につきものの、ゴアシーンが控えめなのががっかり。
猟奇的で異常な世界を描いた欲しかったのに、普通のサスペンス劇場になってしまています。
ジャーロそのまんまのタイトルが付けられ新作はどうなんだろ。
騙されるかも知れないけど、これもまた観てしまうんだろうなあ。
音楽は、ゴブリンのクラウディオ・シモネッティ。
この人、ソロになってからはしばらくテクノに傾倒していたようで、
基本的に往年のサウンドにテクノ風味の味つけが施されていて、
ノリノリの曲もあったりして、本編に反比例してスコアとしては結構面白い。
この路線でやれば、シモネッティもハリウッド・アクションのスコアだってやれるんじゃないかなあと思ったり・・・。
ただ、ハリウッド系のテクノ・ビートに比べるといささか古臭いのが難点。
最新のテクノ系のアプローチを身につけて、そのへんの問題を解決すれば、
十分アメリカ映画でも通用すると思うけどなあ。
少なくとも、ブライアン・タイラーなどのジャジャジャジャ・テクノより、
おじさん好みなプログレ風味が利いていて好きなんだけどなあ。
サントラは、たっぷり28曲、スコアばっかり入ってます。
シモネッティらしい美しいピアノの旋律がテーマ・モチーフになっていて、
これにテクノが被さる展開は、雰囲気的にはRobert Milesあたりに近いかも。
アルバム・ラストにはテーマ曲のRemix(Radio Version)まで入っています。
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