IN THE LINE OF FIRE
監督: ウォルフガング・ペーターゼン
音楽: エンニオ・モリコーネ
出演: クリント・イーストウッド、ジョン・マルコヴィッチ、レネ・ルッソ、ディラン・マクダーモット、ゲイリー・コール、フレッド・ダルトン・トンプソン、ジョン・マホーニー、ジョン・ハード、トビン・ベル
1993年 アメリカ映画


70年代後半あたりからずっと自分で監督と主演をこなしてきたイーストウッドにしては、
珍しく役者に専念したサスペンス・アクション。
「Uボート」や「ネバーエンディング・ストーリー」で一躍有名になったドイツ人のウォルフガング・ペーターゼンがメガホンを取っています。
大統領の身辺警護を専門にこなすシークレット・サービスの活躍を描いた作品で、
イーストウッド役どころは、かつてケネディ大統領を守りきれなかったベテラン・シークレット・サービス。
もう定年も間近い老練な男を実年齢さながらに演じていて、
アクションも結構息切れしながらなのですが、やはりこのおっさん、何故かカッコいい。
昔はタフガイを演じてたイーストウッドが、あえて潔くおっさん(というよりじいさん)を演じるところに好感がもてます。
ストーリーは、かつて大統領の警護を失敗した苦い経験のあるベテラン・シークレット・サービスが、
大統領暗殺を企てる殺し屋と対決する・・・・というお話。
殺し屋役のジョン・マルコビッチがハマリ役で、
アクの強さもバッチリ、イーストウッドの敵としては存在感十分です。
今では、「グラン・トリノ」ですっかりじいさんを演じているイーストウッドですが、
このじいさんはこれからも応援したいなあ。
願わくば、もう一度ウェスタン撮って欲しいなあ。
自分はじいさん役でいいから、アクションは周りの若いもんにやらせて・・。
しかも、マカロニ(^^;)
無理かなあ。
昔、いろんな映画で僕を楽しませてくれた役者さんは、
売れなくなってユルユルの駄作しか作らない緊張感の無いじいさんになっても、
ずっと応援したいと思うのは僕だけかなあ。
でも、このじいさんの場合、枯れて益々勢いが出て話題作を連発してるからなあ。
珍しいパターンだ。



音楽は、イタリアの重鎮エンニオ・モリコーネ。
この人は、70年代後半からハリウッドのメジャー作品もいろいろと手がけるようになったのですが、
どちらかといえば、ハリウッド作品を手がけるときは地味で大人しめな作風が多いかなあ。
あんまり、キテレツで突飛な曲調のスコアは無いようです。
ハリウッド作品では、基本的にフラットなアンダースコアに徹しているのような印象も受けます。
個人的には、マカロニ映画等で聴かれるこの人の「アク」が大好きなのですが。
そんな中で、本作はハリウッド作品ながら地味な中にも独特のモリコーネ節を感じさせる
好スコアに仕上がっています。
イタリア映画のスコアで聴いたことのあるようなフレーズが所々で出てきます。
この映画も他のハリウッド・メジャー作品と同様、本編を観ている時はあまりスコアの存在を感じさせない、
いわゆるアンダースコアタイプの音楽が付けられているのですが、
サントラとして単体で聴くと、改めてスコアの存在感を十二分に感じることが出来るアルバムです。
アルバム冒頭から不穏なストリングスにパーカス、トランペットの応酬という、この人らしい強烈な個性溢れるスコアが出てきます。
その一方で、スリリングなスコア群の中にもお約束の「愛のテーマ」らしいものが入っていて、
モリコーネならではのリリカルで心和むストリングス・チューンで癒されます。
アンダースコアに徹していながら、1枚のアルバムとしても十分鑑賞に堪える作品に仕上げるところは
さすが巨匠、正に職人技です。

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