THE LEGEND OF THE 7 GOLDEN VAMPIRES
監督: ロイ・ウォード・ベイカー
音楽: ジェームズ・バーナード
出演: ピーター・カッシング、デヴィッド・チャン、ロビン・スチュワート、ジュリー・エーゲ、ジョン・フォーブズ・ロバートソン、シー・ズー、ロバート・ハンナ、チャン・シェン
1973年 イギリス/香港映画



・・・・本日も古い過去記事を修復するシリーズ。



70年代空前のカンフーブームに乗り、ドラキュラ・シリーズの英ハマー・プロが香港ショウ・ブラザーズとタッグを組んで製作した空前絶後のドラキュラ+カンフー映画。
一粒で二度美味しいホラーにするハズだったのでしょうが、
興行的にどうだったかと言えば、本作でハマーのドラキュラ・シリーズが終わってしまったことから容易に想像が付くことでしょう。
舞台はなんと19世紀の中国。
ストーリーは、かつて中国奥地で7人の黄金の吸血鬼を祭り栄華を誇っていた寺の坊さんが、
あろうことか、すっかりさびれた寺を昔のように復興させようと、ペンシルバニアの教会まで行って、ドラキュラの力を借りて7人の黄金の吸血鬼を蘇らせようとします。
これを阻止するため、7人の中国の若者とヘルシング教授が立ち上がる・・・・というお話。
ヘルシング教授と言えばこの人、ピーター・カッシングがいつも通りの演技をみせます。
中国の若者代表をショウ・ブラザーズのスター、デヴィッド・チャンが演じています。
吸血鬼に加えてゾンビ軍団まで出てきて、カンフーバトルが繰り広げられますが、
これって、後の「霊幻道士」の元ネタなのでは!?と一部で言われています。
カンフーを交えたことで快調なアクションが展開しますが、
クライマックスはやっぱりいつものドラキュラ対ヘルシング教授の戦い。
やっぱりいつものようにドラキュラが串刺しにされて、顔が解けて死んでしまいます。
しかしなあ、ペンシルバニアの山がどう見ても水墨画が似合いそうな中国の山なんだよなあ。
でもこういうパチモンな雰囲気、好きだなあ。



音楽は、ハマー・プロ作品で、ドラキュラものをいろいろと手がけたジェームズ・バーナード。
オープニングは、ストリングスでグルグル、グルグルと目が回るような音の連続で不穏な空気を盛り上げますが、
そのうち正攻法なスコアが登場してガックリ。
カンフーとドラキュラの合体作品なんだから、ちょっとはドラゴン風にして欲しかったなあ。
このころの古典ホラーって、曲のイントロに必ずといっていいほどオーボエを使ってたような気がするのですが、
どうもオーボエを聴くと怪奇映画を連想してしまって、頭の中にすっかり刷り込まれてしまったようです。
劇伴は、かなり派手で鳴らしまくりという感じで、派手を通り越して騒々しい。
まあ、ジェームズ・バーナードといえば、この手のドラキュラ・スコアを数多く手がけた人なので、ドラキュラものが下火になる中で、
カンフーとの掛け合わせて大ヒットを狙って頑張ったのでしょう。
でも、何回も言うようですが、カンフーものと合体したんなら、
もっと「燃えよドラゴン」とか「ドラゴンへの道」風にして欲しかったなあ。
ちなみにパラパラ、パラパラというラッパは、カンフーものに付きものなのでしょうか。
「片腕カンフーVS空飛ぶギロチン」の天下一武道大会のシーンでも、パラパラやってましたけど・・・・。
サントラLPは、日本では東宝レコードから発売されていましたが、
会社がつぶれてさっさと廃盤になってしまいました。
本国イギリスではWarnerから発売されていたようです。
その後、2001年に英GDIレーベルから発売された「The Hammer Vampire Film Music Collection」に、本作から11曲が収録されました。
LPはダイアローグ入りだったと記憶しているのですが、CDはスコアのみの収録です。



・・・と、ここまでが過去記事。

2010年になって、buy soundtraxレーベルから単独のサントラCDが1000枚限定で発売されました。

アルバム前半がナレーション無しのコンプリート・スコアで、後半がピーター・カッシングのナレーション入りの従来盤という構成です。

さらに現在ではAmazonでダウンロード版が購入可能です。










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