QUELLA VILLA ACCANTO AL CIMITERO
監督: ルチオ・フルチ
音楽: ウォルター・リザッティ、フランコ・デ・ジェミニ、アレッサンドロ・ブロンクスタイナー
出演: カトリオーナ・マッコール、パオロ・マルコ、ジョヴァンニ・デ・ナヴァ、アニア・ピエローニ、ダグマー・ラッサンダー、カルロ・デ・メイヨ、ダニエラ・ドリア
1981年 イタリア映画


イタリアン・ゾンビ・スプラッターの帝王、ルチオ・フルチ監督が描く古典ホラーのニオイがするゾンビもの。
ストーリーは、郊外の古い一軒家で謎の自殺を遂げた同僚の後を次いで、
学者さん一家が越してきます。
(なにも好き好んで、自殺者を出した家に越してこなくてもという感じですが・・・。)
しかし、この家はかつてフロトステイン博士というマッド・サイエンティストが恐怖の人体実験を繰り返した屋敷で、次々と学者家族を怪奇現象が襲う・・・・・というストーリーです。
オカルトの味付けを施してはいますが、所詮、この人の引き出しは僅かなので、
最後には必ずゾンビを出さなきゃ気が済まないという感じです。
但し、珍しくフルチにしては比較的押さえた演出で、ただのゾンビものとは一線を画してます。
ゾンビも確かに出るには出るのですが、いつもみたいに大量発生はしません。
ゾンビのオンパレードを期待する人は観ないほうがいいかもしれません。
でも、ゴア描写はいつもながらエグいです。
フルチ作品の常連ジャンネット・デ・ロッシの仁義なき特殊メイクが容赦のない惨劇を演出します。
フルチのゾンビには欠かせないのが、主演のカトリオーナ・マッコール。
この人、日本の「ベルサイユのばら」で主演を演じた女性で、資生堂のCMにも出てました。
きれいな人なんですが、フルチ作品に結構出てます。
ラストは何の説明もなくあまりに唐突な終わり方をするので、観客は置いてけぼりにされること必至です。
これをシュールと捉えるか、カスと見なすかはみなさん次第、という感じの作品です。
当の本人は、シュールなオカルトを撮ったつもりなのでしょう。


音楽は、ウォルター・リザッティことロマーノ・リザッティとアレッサンドロ・ブロンクスタイナー。
ルチオ・フルチのホラーといえば、ファビオ・フリッツィの起用が多いのですが、
本作では何故かウォルター・リザッティとアレッサンドロ・ブロンクスタイナーを使ってます。
特に意味はないのかも知れませんが、ファビオ・フリッツィが手がけると全部「サンゲリア」になってしまうので、たまには趣向を変えたのかもしれません(^^;)
ただでさえ、フルチのホラーといえばみんな「腐ったゾンビ」が出てきて、
人間が喰われて、「地獄の門が開かれた!!」だもんなあ。
で、本作は本編のオカルトっぽい雰囲気に合わせて、
オルガンによるバロック調のスコアがあったり、
メロもそれなりに悲しげなフレーズが使われており、
ちょっとばかり感傷的になってしまうおせんちで幻想的なスコアです。
まあ、でも突然「ピヨ~ン」ってシンセが入って台無しになったりする場面もありますが・・・・
一連のファビオ・フリッツィものに比べたら全体的に地味かもなあ。
しかし、2人がかりでこの程度のスコアとは・・・・。
でもそこがまたパチモンらしいところ。
さすがパチモンです。素晴らしい。
サントラは、ドイツやイタリア、果てはアメリカでまさかのCD化をされています。
現在でも入手可能かは分かりませんが、フルチ・ファンは持っていて損はない1枚でしょう。

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