THE BUSHIDO BLADE
監督: トム・コタニ
音楽: モーリー・ローズ
出演: リチャード・ブーン、千葉真一、三船敏郎、丹波哲郎、ジェームズ・アール・ジョーンズ、フランク・コンヴァース、マコ、ラウラ・ジェムサー
1980年 日本/アメリカ/イギリス映画


ラウラ・ジェムサーつながりで、kazzpさんのリクエストもあって、今夜はこんな映画を紹介します。
日米英合作ということになっている、「ラスト・サムライ」に先駆けること20年以上前に製作された「武士道」もの。
お話は、日米和親条約が結ばれた幕末の日本を舞台に、ペリー提督に贈呈する「宝刀」が何者かに盗まれて、
その裏には尊皇攘夷派の陰謀が仕組まれていた・・・・という歴史大作風、B級チャンバラ映画。
しかし、このあまりに贅沢な豪華キャストには目を見張るものがあります。
とはいえ、あくまで外人向けにつくられたちょんまげ映画なので、かなりキワモノB級のニオイがする作品です。
幕末なのにまだ忍者が活躍してるし、尊王攘夷派はただのテロリストとして描かれてるし、
殴り合いのどさくさで女湯に乱入する意味不明なサービス・ショットまであります。
世界の三船を始め、千葉真一、丹波哲郎といった日本側のスターが出ているので、かろうじて江戸時代の時代考証が保たれています。
その中で、「黒いエマニエル」ことラウラ・ジェムサーは、トモエという名前の九の一忍者の役。
どう見ても日本人には見えない彼女は、千葉真一の従妹という設定でした。
日本側のキャストについては、世界の三船の重厚な存在感はさすがですが、
それ以上に悪大名ヤマトを演じた丹波哲郎の怪演が見ものです。
監督は、トム・コタニこと小谷承靖。「若大将」シリーズや「ピンク・レディーの活動大写真」などを手がけた人です。
そういえば、小谷監督、主演のリチャード・ブーンとは迷作「極底探検船ポーラボーラ」でもコンビを組んでいます。
日本ではDVDは出ていませんが、かつてビデオが発売されていたことがあるので、
中古で探せばあるかもしれません。



音楽は、モーリー・ローズ。
小谷監督とは、1978年の「極底探検船ポーラボーラ」でも組んでいます。
とはいうものの、さて困った・・・・・(^^;)
勢いでレビューを書き始めたまではいいのですが、
サントラも存在しない、スコアも印象に残らないという作品では、なかなか書きようがない。
江戸時代が背景になっているので、一応和風なアレンジが施されていますが、
全体はストリングス中心のメロドラマのようなスコアという印象があります。
スタッフに日本人や日系人がいるので、さすがに外人がよくやる大いなる勘違いに基づくラーメン音楽になっていないのが救いです。
この映画、日本では劇場未公開だし、豪華キャストのわりに知名度はメチャクチャ低いので、
サントラ盤が発売されることは未来永劫無いでしょう。
なお、このモーリー・ローズという人、70年代にTVアニメのサントラを中心に手がけていたようです。
サントラでは、「アンデルセン物語」(1966年)等、手がけた作品が少ないわりに音源化されている作品が多いようです。

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