THE ORDER
監督: ブライアン・ヘルゲランド
音楽: デヴィッド・トーン
出演: ヒース・レジャー、シャニン・ソサモン、ベンノ・フユルマン、マーク・アディ トーマス、ピーター・ウェラー、フランチェスコ・カルネルッティ
2003年 アメリカ/ドイツ映画


「ペイバック」で70年代B級アクション映画の雰囲気をスコア共々復刻してみせたブライアン・ヘルゲランド監督が描く70年代オカルト映画へのオマージュ。
・・・・・と言うのは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ホラーとして観ると、この映画は全然物足りないと思います。
この映画、70年代オカルト映画が持っていた雰囲気を上手く取り込んだ独特な雰囲気を持った神秘的な作品です。
しかしなあ、この邦題は「罪」だよなあ。
喰ってるのは人が生前に犯した「罪」なんだけど・・・。
このタイトルじゃあ、誰もが「悪霊退治」の映画だと思うよなあ。
「ゴーストバスターズ」じゃないだから・・・・・。
ストーリーは、教会内の秘密組織のメンバーである若い司祭ヒース・レジャーが、同僚の死の真相を探るためローマに行き、
調査するうちにある男に出会います。
この男が教会内では異端とされている「罪喰い」と呼ばれる仕事をしていて、
彼は教会から破門された人々が亡くなる寸前にその人の生前の罪を食べ、
彼らを天国へと導く役目をしていることが分かり、さらに驚くべくことにこの男は不老不死だった、そして司祭の身にも魔の手が・・・・というお話です。
謎が謎を呼ぶストーリー展開で、1回観ただけでは話がよく分かりませんでした(^^;)
それにしても、ヒース・レジャー、将来有望だったのにほんと惜しいスターをなくしました。


音楽は、ギタリストのデヴィッド・トーン。
この人のサントラの仕事というと、フルスコアでアルバム化されたのは、
他にピーター・バーグ監督の「フライデー・ナイト・ライツ」ぐらいでしょうか。
この人ってアンビエント系のギタリストだと記憶しているのですが、
空間を音のカーテンで覆い尽くすような音作りに独特のものがあって、映像をさらに神秘的なものにすることに成功しています。
ちょっとブライアン・イーノっぽいところもあったりします。
既存の映画音楽作曲家たちとは明らかに違う方法論で作られたサウンドで、
これ、劇場で聴いたらすごいだろうなあ。
非常にセンスのいいスコアです。
宗教的な匂いのする作品なので、グレゴリアン系の荘厳で神々しい合唱も非常にマッチしています。
もわ~んとした音像の中で、ゴングの短音とその残響音で引っ張る曲がとても印象的です。
ただ、本作では彼の本業のギターは出番が少なかったような気がします。
エンド・タイトルはインダストリアルとトランスを足して2で割ったようなトラック。
結構、カッコいい。
ちょっとオカルティックな雰囲気を我慢すれば、独立したアンビエント・アルバムとして聴けなくもない作品です。

The Sin Eater/TORN DAVID

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