FIREFOX
監督: クリント・イーストウッド
音楽: モーリス・ジャール
出演: クリント・イーストウッド、デヴィッド・ハフマン、ウォーレン・クラーク、フレディ・ジョーンズ、ロナルド・レイシー、ステファン・シュナベル、ディミトラ・アーリス
1982年 アメリカ映画



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冷戦下の米ソ対立という時代背景のもと、マッハ6で飛行してレーダーにも写らないソ連の最新鋭戦闘機ミグ31”ファイヤーフォックス”を奪取せよとの命を受けた米軍少佐の活躍を描いた作品。
イーストウッドが監督、主演を兼ねています。
残念ながらこの作品、後半のドッグ・ファイト・シーンで一気に盛り上がりますが、
前半のスパイ活動のシーンがあまりに冗長で退屈になります。
欲張ってポリティカル・アクションとスカイ・アクションをくっつけて1本の映画にしたかったみたいなところが感じられます。
主人公もあんましイーストウッドのキャラにあってないような気もするし、
イーストウッドと最新鋭戦闘機という組み合わせもなんか違和感がありました。
ジョン・ダイクストラによるSFXも当時としては驚きましたが、今観るとちょっとキツイなあ。
後半一気に盛り上がるといえば、映画の組み立てが「パールハーバー」に似てなくもない。
どちらもビデオに残すなら、後半のアクション・シーンだけ切り取って鑑賞すれば十分という感じです。



音楽は、モーリス・ジャール。
本編に反して音楽の方は絶好調。
ドッグ・ファイト・シーンとエンド・タイトル曲が特にカッコいい。
メロは、モーリス・ジャール特有のクセがあり、ちょっと泥臭い感じですが、
聴いているうちに違和感が「高揚感」に変わっていくので不思議です。
なんとなくオリエンタルなメロを付けるのは、いかにもこの人らしいという感じです。
スコアの中に「マッキントッシュの男」からの流用もみられますが、
本編の弱点をカバーして余りあるスコアだと言えます。
しかし、本作はこれまで正規盤でサントラが発売された形跡がなく、
スコアは、DVDから録音して楽しむほかは今のところ手だてが無いようです。
どこかのレーベルからCD化されないかなあ。




・・・と、ここまでが過去記事。

待望のサントラはいまだに発売されませんが、エンドタイトルだけなら、企画盤にカバー演奏が収録されています。企画盤といっても、ニック・ライネ指揮ザ ・シティ・プラグ・フィルハーモニック・オーケストラの演奏なので本格的です。同オーケストラが演奏した「アラビアのロレンス」のコンプリートスコア2枚組にボーナスとして入っています。

再録とはいえ、なかなかの出来で満足です。