THOSE MAGNIFICENT MEN IN THEIR FLYING MACHINES OR I FLEW FROM LONDON TO PARIS IN 25 HOURS AND 11 MINUTES
監督: ケン・アナキン
音楽: ロン・グッドウィン
出演: ジェームズ・フォックス、スチュアート・ホイットマン、石原裕次郎、サラ・マイルズ、レッド・スケルトン、テリー・トーマス、ジャン・ピエール・カッセル、アルベルト・ソルディ、ゲルト・フレーベ、イリナ・デミック、フローラ・ロブソン、ゴードン・ジャクソン
1965年 イギリス映画


「史上最大の作戦」のケン・アナキン監督が、複葉機時代の国際的な飛行機レースをコミカルに描いたドラマ。
国際スターの豪華競演が目を引く作品ですが、日本からは石原裕次郎が出ています。
1910年代を舞台に、世界初のロンドン=パリ間飛行機レースがイギリスの新聞王の主催で企画され、
賞金を目当てに世界中から飛行機乗りや冒険家が集まってきます。
みんな正々堂々と戦うと思いきや、中には卑劣なのがいて、強敵のワインに下剤を入れたり、
他人の飛行機に細工をして墜落させようとしたりします。
日本人のパイロットとして石原裕次郎が出ていますが、この卑怯な出場者の策略で、レース早々飛行機があっという間に墜落してレースから脱落してしまいます。
この扱いは可愛そうだったなあ。
「グレート・レース」の飛行機版みたいな映画ですが、米英伊仏独日の5カ国から飛行機乗りが集まり、いろんな形のユニークな飛行機でレースに臨みます。
ヘンテコな飛行機がいろいろと出てきて、すぐつぶれて墜落したり、始めから飛べずに迷走してそのままどっか行っちゃったり、
まるで大がかりな「鳥人間コンテスト」みたいです。
それにしても、この映画、「チキチキマシン猛レース」みたいだったなあ。


音楽は、イギリスのロン・グッドウィン。
この人、大英帝国の由緒正しい戦争アクション映画のスコアを書かせたら天下一品なのに、
そのオーバーアクションなスコアリングが災いしてか、今ひとつ正統に評価されていないように思います。
「空軍大戦略」、「ナバロンの嵐」、「633爆撃隊」、「荒鷲の要塞」等、戦争映画スコアの傑作を輩出している人で、
ファンも多いと思うのですが、この人、生前はサントラ盤にも恵まれなかったなあ。
「ナバロンの嵐」なんて、没後3年くらいしてやって発売されたし(まあこれはこれで奇跡のCD化だったのですが・・・)。
ちょっと脱線しすぎましたが、本作はグッドウィンの陽気でコミカルな側面を聴くことが出来る貴重な音源です。
テーマ曲は、ミッチ・ミラー合唱団の人数減らしたような男性コーラスがリードを取るマーチ。
マーチといっても、豪快なブラスの中にバンジョーが入ってたり、ホンキートンクっぽかったり、口笛が入ってたり、
ごちゃ混ぜの雑煮みたいな賑やかで楽しい曲です。
この曲のカバー・バージョンが、その昔、NHK-FM「ブラスのひびき」という吹奏楽やマーチばっかり流してた番組のテーマ曲として使われてました。
劇伴も、目まぐるしい展開を見せる賑やかな曲が揃っていて、
ドタバタ喜劇のスコアという感じです。
「ワルキューレの騎行」も一瞬だけですが、顔を出します。
さらに面白いのは、イギリス人なのにアメリカンな雰囲気の曲を結構書いているところです。
牧歌的な西部劇のスコアみたいなのが入っていたり、西部の酒場やサーカスのBGMみたいなのが入っています。
国際色豊かなレースということだからでしょうか、意外な一面を見せます。
全編に渡ってテンションの高いサントラですが、残念ながらCD化されたことがありません。
これも、どっかがCD化してくれたら絶対買うんだけどなあ。