うちのブログにいつもコメントをくださるササポンさんから、
「トスカーナの休日」なんて、お前らしくないぞ~とお言葉をいただき、
「確かにそのとおりだ。僕らしくない。」と深く反省いたしました。
で、次はこれ・・・・・。



CANNIBAL HOLOCAUST
監督: ルッジェロ・デオダート
音楽: リズ・オルトラーニ
出演: フランチェスカ・チアルディ、ルカ・バルバレスキー、ロバート・カーマン、ペリー・ピルカネン、サルヴァトーレ・ベイジル、リカルド・フュエンテス、ガブリエル・ヨーク
1981年 イタリア映画


いま思えば、「ブレアウィッチ・プロジェクト」や「クローバーフィールド」の先駆け・・・・な~んて見方も出来るカニバリズム系マカロニ・ホラーの代表作。
アマゾンの秘境を訪ねるレポーターの一行が行方不明になり、捜索隊がジャングルで発見されたフィルムを持ち帰り再生してみると、
そこには一行が食人族に出会い、ついには食い殺されるまでのおぞましい映像が記録されていた・・・というお話です。
この映画の最悪なところは、ただでさえ人食いモノって観てはいけないものを観てしまったようなエグさがあるのに、
あたかもドキュメンタリーのように撮っているから始末が悪い。
ホントのグログロを見せられたようで、メチャメチャ後味が悪いったらありゃしない。
全編グログロのオンパレードで、散々イヤなもんばっかり見せられた挙げ句に、
一行がはらわたえぐられて、首チョンパされるところで終わります。
中でも一番グロかったのは、大きな亀の甲羅をベリッと剥がして、中のグチョグチョの内臓が白日の下にさらされるシーン。
うえ~、こんなもん見せんなよ~って感じでした。
この手の「人食い人種映画」は、イタリア映画のお家芸ともいえる残酷ドキュメンタリーと「ゾンビ」映画のカニバリズムが合体したような作品といえるでしょう。
いつものように、この映画がまさかのヒットを記録したことから、イタリアではこの手の人食い人種ものが量産されたことは言うまでもありません。
監督のルッジェロ・デオダートは、「ホステル」のイーライ・ロス監督あたりにリスペクトされていて、
「ホステル2」ではアクターとして招かれ、怪演を見せてくれています。



音楽は、イタリアの巨匠リズ・オルトラーニ。
「世界残酷物語」に始まるイタリアの残酷映画のスコアって、代々美メロが付けられるのが定番になっていて、
本作もグログロの本編に比べると、あり得ないほど極上の美しいメロディが載せられています。
このギャップはものすごいものがあります。
音だけ聴くとライトなヒューマン・ドラマのサントラにしか聞こえないので、ジャケを犠牲者たちがにこやかに笑うスナップ写真に変えれば「何の映画か知らないリスナー」が騙されて買っていくような気がします。
スコアとしては、もっと売れるアルバムだと思うのですが、如何せんこのジャケだからなあ、
こんなん見たら絶対買う気がしなくなるよなあ・・・・。
買ったらすぐにジャケ捨てて、自分の気に入った写真に差し替えたら後々まで愛聴できるアルバムです。
メイン・テーマは、ストリングスとほんわかしたムーグシンセが心地よい、のどかな曲です。
劇伴の中には、エレピとカッティングギターの掛け合いがかっこいいフュージョンタッチの曲や、
ラウンジ色の強いモンド・チューンがあったり、意外にいい曲が揃っています。
まあ、シンセの音色が古いのと、「プ~ン、プ~ン」っていうディスコ調の効果音が入るところはショボイですが・・・・。
全編デジタル・リマスターされていて音質がさらに向上しています。
さらにCD-ROM仕様になっていて、オルトラーニのインタビューと予告編(いらねえよ)が入っています。

Cannibal Holocaust [Original Soundtrack]

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