FLIC OU VOYOU
監督: ジョルジュ・ロートネル
音楽: フィリップ・サルド
出演: ジャン=ポール・ベルモンド、マリー・ラフォレ、ジョルジュ・ジェレ、ジャン=フランソワ・バルメ、クロード・ブロッセ、トニー・ケンドール、ミシェル・ボーヌ
1978年 フランス映画


ジャン・ポール・ベルモンド主演による軽妙な語り口のフランス製ポリス・アクション。
スタイリッシュな映像とジャジーなスコアが印象的な作品です。
フランスの片田舎の街で刑事が不可解な死を遂げ、
これを調査するためにパリから身分を隠した内務調査官の警部がやってきますが、
その街は裏では警察とマフィアが癒着し麻薬や売春が横行しており、刑事の死もマフィアの関与が疑われたことから、
警部は単身潜入捜査を始める・・・・というお話です。
警部と娘の軽妙な掛け合いが面白い。
監督は、「チェイサー」のジョルジュ・ロートネル。
作品としては小粒ですが、なかなか粋で洒落たコメディタッチの刑事ものです。
しかしこの映画、ビデオ化された時は「ジャン・ポール・ベルモンドの警部コマンドー」なんてタイトルが付けられていました。
「コマンドー」関係ねえじゃんって感じです。


音楽は、フィリップ・サルド。
本作は、演奏にチェット・ベイカーを始めとする数多くの有名ジャズメンが参加してます。
ロン・カーター、ヒューバート・ロウズ、ラリー・コリエル、ビリー・コブハム等々。
チェット・ベイカーのトランペットが哀愁漂うメロディを奏でて、メチャクチャかっこいい。
アルバム全体を通じて、メロディアスで渋い内容になっています。
しかもモロ・ジャズかと思えば、ジャズ・ロックのフィーリングが加味されているところが興味深い。
おかげでビリー・コブハムなんか、もろジャズ・ロックなフィルインを随所で入れまくり。
かなりToo Muchなタム回しをやってくれてます。
残念なのはこのジャズ・ロック・テイスト満点の迫真のインタープレイが、さあこれからって時にフェードアウトしちゃうこと。
サントラ用のスコアなので短くカットしなきゃいけなのは分かりますが、2分半は短すぎです。
せめて5分位収録してほしかったなあ。
このサントラ、2000年にユニバーサル・フランスから、同じくベルモンドの「道化師」とのカップリングでCD化されています。
このレーベルから次々と発売された紙ジャケのサントラシリーズ、もう50枚くらいでてるんじゃないだろうか。
かなり貴重な音源も含まれています。
ちょっと、残念なのはジャケがオリジナル・デザインではないこと。
シリーズの統一感を出すためなんでしょうが、風景を写したジャケットの中にある看板に、
その映画のポスターがはめ込んであるという仕掛けになっているのですが、
やはりオリジナル・ジャケにして欲しかったなあ。



Flic ou Voyou/Le Guignolo/Philippe Sarde

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