STARSHIP TROOPERS
監督: ポール・ヴァーホーヴェン
音楽: ベイジル・ポールドゥリス
出演: キャスパー・ヴァン・ディーン、ディナ・メイヤー、デニース・リチャーズ、ジェイク・ビューシイ、ニール・パトリック・ハリス、クランシー・ブラウン、パトリック・マルドゥーン、マイケル・アイアンサイド
1997年 アメリカ映画


オランダが生んだキワモノ系監督(失礼)、ポール・ヴァーホーヴェンがSF小説の古典「宇宙の戦士」を独自の解釈で映画化したSF大作。
原作を知ってる人にはかなり不満があったようですが、個人的にはかなり楽しめた1本です。
予算の都合等によりパワードスーツまでは登場させることが出来なかったようです。
(パワードスーツの登場は「3」を待たねばなりませんでした。でも、「3」でも意外と出番が少ないのが残念。)
バグズと呼ばれる昆虫型の異星生物と人類との壮絶な戦いを描いていますが、
その凄惨な戦闘は目を覆いたくなるほどです。
ある意味「プライベート・ライアン」を越えていました。
なにしろバグズに襲われた地球軍の兵士の手はちぎれるわ、首はチョンパされるわ、胴体真っ二つになるわ、メチャクチャです。
これに意図的に戦意高揚プロパガンダ映画の手法が用いられていて、ブラックな笑いを誘います。
「みんなで地球のために戦争に行って、ともに死のう!」みたいなことを平気でCMする世界・・・・、
実はその裏返しで反戦のメッセージが込められていたりして・・・・
でもなあ、この監督、ただ笑いを取るためだけにプロパガンダの手法使ってるような気もするしなあ。
よく分かりません。
お話は、世界の中心が南米ブエノスアイレスになっている近未来、
高校生の男女4人が卒業と同時に軍隊に入り、それぞれ歩兵、士官、宇宙艦隊へ配属され、宿敵バグズと戦いを繰り広げるというストーリーです。
前半「青春映画」+後半「プロパガンダ戦争映画」という作りの作品です。
この映画の最大の売りは、フィル・ティペットによる特撮の素晴らしさです。
特にものすごい数のバグズに取り囲まれた要塞の周囲を撮したワンショットは鳥肌ものでした。
ちなみにバグにもいろんな種類があって、ウォリアー・バグとかブレイン・バグとか、いろんなのが出てきます。
その中でウォリアー・バグが一番残忍で、こいつに兵士が次々と首チョンパや胴チョンパされて死んでいきます。
SFXの進歩って凄いなあと思わせる一作でした。
なお、後に「2」と「3」が製作されていますが、「2」は本国アメリカでTVムービーとして製作されたものなので、
かなり小粒に仕上がっています。


音楽は、戦意高揚系のスコアを書かせたら右に出る者がいないベイジル・ポールドゥリス。
本作のスコアは収録時間は短めですが、ダイナミックでパワフルなテンションが終始一貫していて、
アドレナリン出まくりの「燃え」系スコアの王道を行く作品です。
本編自体が戦争プロパガンダ映画のパロディみたいな作りになっているので、それに呼応するように派手で勇壮なマーチが収録されています。
ベイジル・ポールドゥリスはポール・ヴァーホーヴェン監督とは「ロボコップ」でも組んでいますが、
本作の方が「ロボコップ」よりもはるかに派手な音です。
戦意高揚型の「濃い」演奏に圧倒されます。
TVのバラエティ番組でBGMに使用されることも多く、「燃え」系スコアが好きな人には特にオススメの1本です。
ただ、濃厚過ぎるのか、一部のスコアは収録されておらず、肝心のエンド・タイトルも入っていません。
米Vareseレーベルは、何故かわかりませんが結構エンド・タイトルを割愛しちゃうサントラが多く、
ファンとしては非常に物足りない感じがします。
どこかのレーベルから正規盤でフル・スコアが発売されないかなあ。
なお、米版のDVDはIsorated Disc仕様になっていて、スコアだけを聴くことが出来ます。
今のところ、まともにフルスコアを聴こうと思ったら米版DVDで楽しむしか方法が無いようです。



Starship Troopers/Basil Poledouris

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