PUPPET ON A CHAIN
監督: ジェフリー・ジェームズ・リーヴ
音楽: ピエロ・ピッチオーニ
出演: スヴェン=バーティル・タウベ、バーバラ・パーキンス、アレクサンダー・ノックス、ヴラデク・シェイバル、パトリック・アレン
1970年 イギリス映画



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アリステア・マクリーン原作の数ある映画化作品の中で、マイナーな割に意外と成功した部類に入る佳作。
本作品は、マクリーン自身が脚本にも携わっていますが、それが成功の要因なのかなと思ったり・・・。
オランダのアムステルダムを舞台に国際麻薬組織を追う麻薬捜査官の活躍を描いた作品です。
アムステルダムに麻薬組織を追ってやってきたインターポールの捜査官が、組織に同僚とその愛人を抹殺されたり、
自らも組織に拉致されながら、地元警察の協力を得て組織を壊滅に追いやるというお話で、
この手のアクションにありがちな、意外な黒幕の存在が明らかになったりします。
原作は、マクリーンの「麻薬運河」
タイトル通り運河が出てきますが、そこで繰り広げられるモーターボートによるチェイス・シーンが迫力たっぷりで見応えがあります。
最初はおおきな河で追っかけっこしているだけかと思いきや、追跡は街並みを流れる運河にまで及びます。この辺はほとんど007の世界です。
前半の麻薬捜査の過程がちょっともたついてた分、後半はボート・チェイスでキレのあるシャープなアクションを見せてくれます。
調べてみたら、迫力あるアクション・シーン等を始めとする撮影を担当したのは、「バルジ大作戦」のジャック・ヒルデヤードでした。


音楽は、ピエロ・ピッチョーニ。
テーマ曲からいきなり、派手なイントロで「ドバァ~!!」と始まるオルガン・ジャズ。
華麗なブラスのバッキングとオルガンのソロが上手く解け合ったグルーヴィーなチューンですが、
どこかおかしいなあと思っていたら、主旋律が無い(T_T)。
メロが無いのです。カラオケ・バージョンみたい。
この曲、別に主題歌があるのかと思ってたら、そうでもないみたい。
劇伴もこのバッキングだけで出来たようなテーマ曲のバリエーションを中心に構成されています。
ギラギラのサイケなギターがソロを取ったり、オルガンがソロを取ったり、曲によって雰囲気を変えています。
全体的にサイケでファンキーなモンド・ジャズといった感じの作品です。
サスペンス描写も骨太なスコアで表現してあり、
70年代のサイケなアクが嫌いでなければ、結構聴き応えのあるアルバムに仕上がっています。
この映画、実は公開当時にはサントラが発売されておらず、2001年になって初めてイギリスでCD化されました。




・・・と、ここまでが過去記事。

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