1990 I GUERRIERI DEL BRONX
監督: エンツォ・G・カステラッリ
音楽: ウォルター・リザッティ
出演: ヴィク・モロー、クリストファー・コネリー、マーク・グレゴリー、フレッド・ウィリアムソン、ステファニア・ジロラミ、ジョージ・イーストマン、ジョン・シンクレア
1982年 イタリア映画


70年代にはマカロニ・コンバットやマカロニ・アクションで名を馳せたパチモンの名匠エンツォ・G・カステラッリ監督が作った80年代のパチモン・アクション映画。
この人、80年代に「マッド・マックス」が世界的に大ヒットするや、パチもんの血が騒ぎだし、亜流「マッド・マックス」を数多く世に送り出してしまいました。
これもその系譜に入る1本ですが、本作はさらに「ニューヨーク1997」と「ウォリアーズ」が下敷きになっています。
1990年のニューヨーク、危険地帯に指定されたサウスブロンクスを舞台に、一人の女性が迷い込んできて、
それを暴走族のリーダーが助けますが、実はその女性はある巨大企業の後継者なのですが、会社に嫌気がさして逃げてきたという設定。
さらにこの女性を追って会社に雇われた元刑事がブロンクスに入ってきます。これが我らがヴィク・モローおじさん。
この元刑事がブロンクスのストリートギャングを叩きつぶすことしか頭にない男で、私設の火炎放射器隊を組織してブロンクスに殴り込みをかけてきます。
ここで出てくるストリートギャングたちが、もうまるで「ウォリアーズ」の亜流みたいなのばっか。
さあ果たして女性と暴走族のリーダーの運命やいかに・・・というお話です。
まあ大したアクションでもないし、ダラダラと話が進んでいくので、観ているうちにストーリーなんてどうでもよくなってきます(^^;)
でも強いて言えば、これこそがパチモンの醍醐味でしょうかねえ。
一度ハマると病みつきになります。
主演の暴走族のリーダーは、これもパチモン「サンダー」シリーズでお馴染み?マーク・グレゴリー(誰も知らないか)
この映画、本国では多少でもヒットしたのか、続編まで作られています。
「ブロンクスからの脱出」という邦題が付けられてました。
なお、ヴィク・モローは翌年製作された「トワイライト・ゾーン」の中の1エピソードの撮影中、ヘリコプター事故で惜しくも他界してしまいます。
ということは、まともにまるまる1本出演した映画って、もしかしてこれが最後?
こんなパチモンがヴィク・モローの遺作ってことになるのでしょうか(T_T)
それではあまりに可愛そうです。
この映画、昔レンタル・ビデオ店のアクションのコーナーの一番下の方でよく見かけたので、ジャケを見たことがある人もいると思います。
でも、最近はビデオもDVDに入れ替わってしまって、僕の好きなこの手のイタリア製パチモン映画たちがどんどん無くなっているのは淋しい限りです。

 



音楽は、ルチオ・フルチのホラー「墓地裏の家」を担当したウォルター・リザッティ。
まあ、スコアは全体的に金かかってねえなあというのが丸わかりな安っぽい音。
バンド編成の音で、ギターやシンセ、フュージョン系のブリブリベースがフィーチャーされています。
チープなスコアの中で技巧的でフレットレスなベースが際だって聴こえるのですが、案外ゴブリンのファビオ・ピニャッテリがやってたりして・・・・(^^;)
スコア全体もやはりゴブリンあたりの影響を大きく受けています。
シンセのメロディなんかもイタリアン・ホラーっぽい雰囲気を持っています。
テーマ曲はシンセがチューブラー・ベルズみたいなストレンジなフレーズを奏でた後、
エレキギターがメイン・モチーフを力強く演奏しますが、昭和の頃の日本の刑事ドラマのスコアみたいです。
劇伴もよく言えば都会的な雰囲気のライトなスコアが多いようです。
あんまりサスペンスフルなスコアは無く、なんとなく軽快で安っぽい演奏が並びます。
こんなスコアですが、何故か本国イタリアでは、サントラ盤CDが発売されていて、
同じくパチモン「マッド・ファイター」(1983年)とのカップリング仕様になっています。
しかも嬉しいことに(別に嬉しくないか(^^;))CD化にあたってボーナス・トラックが6曲も追加収録されています。
「マッド・ファイター」の方もそのうち紹介しますね。わはははは(*^o^*)


1990 i guerrieri del Bronx - I nuovi barbari [Import]/ウォルター・リザッティ

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