QUANTUM OF SOLACE
監督:マーク・フォスター
音楽:デヴィッド・アーノルド
主演:ダニエル・クレイグ、オルガ・キュレリンコ、マチュー・アマルリック、ジュディ・ディンチ、ジェフリー・ライト、ジェマ・アータートン、イェスパー・クリステンセン
2008年イギリス/アメリカ映画


ジェームズ・ボンド22作目は、シリーズ初の続編仕様になっています。
しかも、本編が前作のラストの1時間後からスタートするそうです。
例によってまだ観てないので、本編に関しては全く分からずレビューしてます。
「ダーク・ナイト」の時もそうだったのですが、最近のサントラって本編とセットで聴かなければ、
スコア本来の良さが十分に伝わって来ない作品が多く、
未見のレビューってやっぱり邪道だなあって反省しているところです。
とはいうものの、サントラ買ってずっと寝かしておくものなんなので、
一足先にレビューしちゃいます。
前作で愛するヴェスパーを失ったポンドが、彼女を死に追いやった張本人を追い詰めるため調査を進めますが、
その背後には巨大な闇の組織の存在があった‥‥というようなお話だそうです。
今回のボンド・ガール、オルガ・キュレリンコって見た感じかなりワイルドな感じの女性ですね。
前評判によると、全編たたみ掛けるようなアクションのつるべ打ちだそうで、
なんでもジェイソン・ボーン・シリーズに近いとか。
テンポが早いせいか、上映時間も最近のこのシリーズには珍しく2時間を切るようです。
脚本がポール・ハギスなので、上手にコンパクトにまとめ上げてんのかなと期待してます。


音楽は、すっかりこのシリーズの顔となったデヴィッド・アーノルド。
最近では、007といえばこの人という感じになってきました。
この人のいいところは、歴史あるジョン・バリーのスコアを丹念に研究した形跡があること。
先達のスコアのいい部分を生かした作風がとても好感が持てました。
だから、ここまでシリーズをずっと任されているのかなあと勝手に想像しています。
フル・オケによるシンフォニックなスコアから、デジタル・ビートを持ち込んだ今風のトラックまで
そつなくこなすところがほんとに上手い。
本作のスコアは、前作の流れを汲んだ部分もあり、音の方も続編仕様になっています。
前作と違うのは、前作では聴かれなかったポンドのテーマが随所に聴かれること。
アルバム前半は派手に鳴らすトラックが多く、「燃え」度も十分です。
ただ、アルバム後半に行くにしたがって尻つぼみになっていくのが残念。
クライマックスに向けて派手にドバーっとやって欲しかったなあ。
なお、本作ではシリーズ最大の問題作である「例の」主題歌が収録されています。
アリシア・キーズとジャック・ホワイト(ホワイト・ストライプス)という2大グラミー・アーティストのコラボ曲になっていて
話題性は十分なんですが、この2人に作らせる必然性というものを全く感じることが出来ませんでした。
全く異なるジャンルの2人に共作させるというアイデアは悪くないのですが、
肝心のデヴィッド・アーノルドが全く作曲にかんでいないなんて‥‥。
出来上がった曲は、なんと野太い女性ボーカルが詐裂するすごく下世話なガレージ・ロック。
こけおどし的なフレーズはなんとなくそれっぽいけどちょっと大袈裟すぎるし、
そのくせサビらしいサビが無いまま曲が終わっちゃうし、それに何より
やっぱりボンドのテーマにしては、「品」が無い・・・・・・あ~残念(T_T)
個人的にこの2アーティストのどちらにも関心が無いのでそう思えるのかも知れませんが、
おっさんにはこの主題歌、かなり違和感があります。

Quantum of Solace [Original Motion Picture Soundtrack]

¥1,450
Amazon.co.jp