今日は過去記事に追加してます。



THE LITTLE GIRL WHO LIVES DOWN THE LANE
監督: ニコラス・ジェスネール
音楽: クリスチャン・ゴベール
出演: ジョディ・フォスター、マーティン・シーン、アレクシス・スミス、スコット・ジャコビー、モート・シューマン
1976年  カナダ/フランス/アメリカ映画

少女時代のジョディ・フォスターの代表作ではないかと勝手に思い込んでる、少女版「サイコ」のようなスリラー。

僕は、「タクシー・ドライバー」よりも「ダウンタウン物語」よりもこっちをオススメします。
13歳の少女という設定ですが、大人顔負けなしたたかなセリフ回し、子供とは思えない醒めた目線、
焦らず淡々と殺人や証拠隠滅を実行する姿、そうかと思えば仲良くなった少年に見せるあどけない笑顔、
この辺の使い分けが上手く、子役とは思えないなかなかの演技を見せます。
田舎町の白い一軒家に暮らす少女がジョディ・フォスター。
イギリスから詩人の父と越してきたと言うわりに父親は全く姿を見せず、まるで少女が一人で暮らしているかのように見える様子を見て家主のおばさんが不審に思います。
少女の制止を振り切ってジャムの瓶を取りに無理矢理家の地下倉庫を開けたところ、
中でとんでもないものを見つけ、慌てて外へ出ようとして誤って地下倉庫の天井で頭を打ってしんでしまいます。
そこから、少女による終わり無き証拠隠滅とつじつま合わせの日々が始まります。
いたいけな少女が一人でどうやって証拠隠滅していくのだろうと思っていると、意外な助っ人が現れます。
また、その過程で明らかになる少女の父親と母親にまつわる秘密も見所の一つ・・・・。
中盤からスリルある展開になるので、地味な映画ながら最後まで飽きずに観ることができます。
家主のおばさんが自分の家の地下で死んだのに、そのまま倉庫のフタをする少女の冷酷さにゾッとします。
家を訪れる人々に家主のおばさんが地下で死んでいることを悟られまいとするシーンが結構ハラハラさせられます。
若き日のマーティン・シーンが家主の息子のロリコン変態男を演じ、13歳のジョディ・フォスターを狙ってつきまといます。
ラストのエンド・クレジットが流れる間中、暖炉の前でうつろな表情を見せるジョディ・フォスターのアップが延々と流れますが、これがまた印象深く記憶に残ります。



音楽は、フランスのクリスチャン・ゴベール。
フランシス・レイのアレンジャー兼オケの指揮を担当していたことで知られる人です。
キーボーディストとしても知られた人で、本作でもいかにも70年代フレンチな音色のキーボードを聞かせます。
ちょうど「燃えつきた納屋」のジャン・ミシェル・ジャールの音色に似た音を出していて、「ボヨ~ン」という感じの音はいま聴くとちょっと古くささは否めませんが、
個性的な音使いはハマると病みつきになるかも(^^;)。
本作では、ショパンの「ピアノ・コンチェルト第1番ホ短調」が効果的に使われていましたが、この人が弾いているのかなあと思ったり・・・・違うか。
このショパンの上品な調べと、もう少しでキワモノすれすれのゴベールのスコアが好対照をなしています。
確かにアメリカの片田舎の町に16ビートのゴベールサウンドはちょっと奇抜だったかも知れません。
でも、哀愁を帯びたフレンチ・サウンドは好きな人にはこたえられない素敵な音だと思います。
サントラ盤はなんと日本だけでLPが発売されていました。
本国フランスではシングル盤のみの発売だったようです。
当然CD化はされていないようで、ポリドールから発売された日本盤LPはたまにオークションで結構な値が付いて販売されています。
余談ですが、この人「Last Exit」というバンドを率いていたことがあって、79年に同名アルバムを発表しています。
内容は、フレンチ・フリー・ソウルというべき、チョッパー・ベースがブリブリ唸る圧倒的なグルーヴを持ったダンス・チューン満載のノリノリアルバムです。
特に最近のDJたちに再評価されたのが「Sweet Maryline」という曲。この曲はフレンチ・フリーソウル最高峰のナンバーとして愛されているようです。



・・・・・ここまでが過去記事。

今年の8月にDisques CinemusiqueからサントラCDが発売されました。

11曲入り、限定500枚。
過去に日本だけで15曲入りのLPが発売されていましたが、

結構同じ曲を使いまわしたりしてたようで、厳密には15曲入りとはいえなかったのですが、

今回は使い回しはないようです。

とはいうものの、収録曲は大きく分けて「切ないメロ」と「えげつないプログレ風」の2つに分類されるので、

同じような曲がいくつも入っているという印象は変わりません(笑)

さらに劇中使用されたショパンのピアノ協奏曲Piano Concerto No.1 in E minor op.11が収録されています。

ジャケは仏盤シングルのイラストに近いものを使ってますが、

こののっぺらぼうジャケは今一つだなあ。

米版のチラシの方がジャケとしてはセンス良かったような気がします。



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