COOL HAND LUKE
監督: スチュアート・ローゼンバーグ
音楽: ラロ・シフリン
出演: ポール・ニューマン、ジョージ・ケネディ、ルー・アントニオ、ストローザー・マーティン、J・D・キャノン、ジョー・ヴァン・フリート、ラルフ・ウェイト、ルーク・アスキュー、デニス・ホッパー
1967年 アメリカ映画

 

 


平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・。



 

ポール・ニューマンが権力には徹底的に歯向かう反骨精神剥き出しの囚人を演じたヒューマン・ドラマの傑作。

ストーリーは、 夜中、路上に設置されたパーキングメーターを、意味もなく大きなスパナでグルグル回して次々と落とした器物損壊の罪で警察に捕まった男ルーク、

2年の刑を言い渡されて刑務所に服役しますが、反骨精神のかたまりのような彼は、まわりの囚人たちの共感を得ていく一方で、非情な看守たちには屈することなく何度も脱獄を企てる・・・・というストーリー。
看守から言いつけられた炎天下の舗装工事を囚人たちをリードして一気にやり遂げたり、無理だと言われた卵を50個食べるというチャレンジにお腹がパンパンになりがらも見事成功したり、
印象的なエピソードがいくつも盛り込まれます。
口数は少ないが、ギブアップという言葉を知らないルークに、囚人たちが惹かれていく流れがとても印象的です。
何度捕まってもまた脱走する、権力に反抗し続けるルークの不屈の精神とクールな微笑みがとても印象的な作品です。
脇を固める布陣も今考えると超豪華で、ジョージ・ケネディを始めとしてがっちり脇を固めています。
しかし、この邦題はなんとかならなかったのでしょうか。
今ではこのタイトルに違和感は無いのですが、冷静に考えるとまるでヤクザもののVシネマみたいなタイトルです。
僕がまだ中学生の頃、東京に出張中の父にレコード屋でこのサントラを見かけたら買って来てと頼んだのですが、
過激なタイトルに超絶バイオレンス映画を想像した父に「中学生が観る映画ではないのではないか」と注意された覚えがあります(^^;)
ラストでアップになる1枚のショットが脳裏に焼き付きます。
 

 

 

音楽は、ラロ・シフリン。
メイン・タイトルは、どことなく切ないメロディを持った、アコースティック・ギターが奏でる名曲です。
この曲は、後半オケが入ってくると不穏な展開を見せるのですが、同じモチーフを使ったエンド・タイトルではオケが最後に派手に盛り上げて大団円を迎えます。
劇伴奏は、ジャズとオーソドックスなオケ・スコアとブルーグラスを掛け合わせたような一風変わったスコアで、
バンジョーやアコギ、ハーモニカといった楽器がアメリカの片田舎の風景に見事にマッチしています。
彼が得意とするけだるいジャズ・スコア(というか半分ブルースっぽい)もしっかり堪能することが出来ます。
なお、子供の頃にTVで観た時には、道路の舗装工事シーンに、「戦略大作戦」の「Tiger Tank」がBGMとして使われていました。
TV放映に際して局側が勝手に差し替えたのか、そこだけオリジナルの音声が無かったのか・・・・謎です。
本作は、アカデミー作曲賞にノミネートされたと記憶しています。
本作以降のシフリンの怒濤の勢いは周知の通りで、

「ブリット」、「戦略大作戦」、「ダーティ・ハリー」、「燃えよドラゴン」等と名スコアが続きます。
サントラは、かつて「すみや」からLPが復刻されたことがありますが、僕その時初めて通販で手にすることができました。
CDは、シフリンのレーベルAlephからLPよりも大幅に増曲した全20曲入りのものが発売されており、
現在も入手可能です。(本作は再録盤ではありません。)

でも、ジャケはオリジナルのものを使って欲しかったなあ(T_T)





・・・と、ここまでが過去記事。

現在では、この作品もダウンロード版が出ています。