FRIDAY THE 13TH
監督: ショーン・S・カニンガム
音楽: ハリー・マンフレディーニ
出演: ベッツィ・パルマー、エイドリアン・キング、ハリー・クロスビー、ローリー・バトラム、マーク・ネルソン、ケヴィン・ベーコン、ジャニーヌ・テイラー
1980年 アメリカ映画

 

 

 

80年代に大流行した人殺しホラーの草分け的存在となった作品。
この時期はオカルトものが下火になって、こういうただ殺人鬼が身近な凶器を使って次々と殺人を繰り返すタイプのホラーが流行りました。
本作も大ヒットして、結局全部でシリーズ10作くらい製作されました。
最後にはネタ切れしたのか、別シリーズの「エルム街の悪夢」と合体しちゃったりして・・・・。
でも、今になってリメイクの企画が持ち上がっています。
ストーリーは、大してあってないようなもので、クリスタル・レイクのキャンプ場に集まってきた若者がイチャイチャしてる間に次々と殺されちゃうというたわいもない話です。
犯人は案外想像がつきますが、この頃はまだジェイソンが登場してなくて、ラストのラストで子供時代のジェイソン?がちょっとだけ出てきます(^^;)
ジェイソンが出てくるのは2作目からで、でもここでは麻袋みたいなものを被っています。
有名なホッケーマスクを被って出てくるのは、3Dで上映された3作目から。
ジェイソンは超人的な体力と何度死んでも次回作で生き返るので、だんだん「不死身の怪物」と化していってオカルト的な要素が出てくるのがおかしなところ。
(シリーズ中、「新・13日の金曜日」だけは、犯人がジェイソンのマスクを被ったおっさんだったような気がします。)
本作の見所は、トム・サビーニが手がけた特殊メイクにあるといっても過言ではありません。
まあ、とにかくいろんな手口で若者が殺されていきます。
弓矢が飛んできたり、斧で頭かち割られたり、喉かっさばかれたり、最後には首チョンパまであります。
若き日のケヴィン・ベーコンもベッドの下からとがった槍で喉を貫かれて死んじゃいます。

 

 

 

 

音楽は、このシリーズといえばこの人、ハリー・マンフレディーニ。
この人は、ショーン・S・カニンガム監督とのコラボが割と多いようで、本シリーズの他に「がバリン」、「ザ・デプス」等を手がけています。
本作の音楽は、当時としてはむしろチープで古臭いオーソドックスな方法論で書かれたスコアでしたが、
マンフレディーニは、この中にS.E.の様な、「キッキッ、マッマッ・・・・」という声を挿入するアイデアを盛り込んでいて、
大して金もかかってないたったこれだけの声が絶大な効果を上げていました。
この声は、「Kill Mom(殺して、ママ)」という言葉を繰り返すジェイソンの声を表現したものだそうで、
この声は、その後ジェイソンが登場するシーンやサスペンスを盛り上げるシーンにずっと受け継がれていきます。
サントラは、3作目が公開された際にようやく「3」のサントラとしてLPが海外で発売されました。
この中に、1作目である本作と2作目のスコアも一部含まれていたことから、ベスト・オブ・13日の金曜日という趣の作品になっていました。
組曲形式になっていて、全4曲しか入っていないのに収録時間は35分、10分を越える曲が2曲も入っていました。
なお、このLPはシリーズ中、もっともユニークな3作目のテーマ曲が一部で人気がでて、オークションで結構な高値で取引された時期がありました。
CDは、LPと同内容のものがフランスのMilanレーベルから発売されましたが、現在では入手困難です。

 

 

シリーズの音楽をベスト盤的に収録したブートレッグも複数存在するらしいですが、残念ながら未聴です。
このシリーズは、7作目と8作目を、TVシリーズ版「13日の金曜日」を手がけたフレッド・モーリンが、
「エルム街・・」と合体した最終作「フレディ&ジェイソン」をグレアム・レヴェルがそれぞれ担当した以外は、
すべてこの人が手がけています。

マンフレディーニのライフ・ワーク(^^;)?みたいなシリーズですね。