BILLION DOLLAR BRAIN
監督:ケン・ラッセル
音楽:リチャード・ロドニー・ベネット
主演:マイケル・ケイン、エド・ベグリー、フランソワーズ・ドルレアック、オスカー・ホモルカ、スーザン・ジョージ、ガイ・ドールマン
1967年イギリス映画

 


平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・

引き続き「ハリー・パーマー」シリーズをご紹介




 

「国際諜報局」に始まるマイケル・ケインの「ハリー・パーマー」シリーズの第3弾。
今回の監督は、これが実質的な劇場デビュー作となるケン・ラッセル。
後に奇妙な映画をいくつも世に送り出したケン・ラッセルですが、ここでは意外にまっとうなスパイ・サスペンスに仕上げています。
アクション・シーン等もよく考えられており、当時の映画にしては迫力がありました。
ストーリーは、過激な反共組織「10億ドルの頭脳」によるソビエト連邦壊滅作戦をパーマーが未然に阻止するというお話。
MI5から足を洗って探偵をしていたパーマーを再びMI5が呼び戻します。
共産思想をこの世から消し去ろうとする億万長者の将軍が敵側のボス。
悪の結社「10億ドルの頭脳」は、巨大コンピューターを擁しており、
このコンピューターからの指令で全世界の部下たちが―斉に行動できるという強力な力を持っているという設定になっていました。
面白いのは、ソビエト壊滅作戦を阻止するためにソ連の諜報機関と手を組むところ。
冷戦の時代に、こういう発想がよく出来たなあと思いました。
あ、でもこれ、イギリス映画か(^^;)
007のような派手さはないし、地味でちょっと暗いイメージのあるこのシリーズですが、何故かハマっ
てしまう不思議な魅力があります。
まあ、マイケル・ケインが出てるから、どんな映画だろうと僕の中では高評価なのですが・・・・(^^;)

 

 


 

音楽は、イギリスのリチャード・ロドニー・ベネット。
70年代の英国映画音楽界を代表する人で、ジョン・アディスンやロン・グッドウィン等とともにイギリス映画の音楽を支えて来た人です。
イギリスの作曲家特有の、しっとりとした気品のようなものを感じさせるところはさすがです。
本作でもとてもロマンチックなテーマを書き上げています。
冒頭近くの流れるようなピアノの旋律がインパクト大で素晴らしい。
これ、なんていう弾き方なのか知りませんが、ギターでいうところのアルペジオみたいな奏法です(^^;)
キラキラとしたピアノの音に、クラクラしてしまいそうです。
このバックにテルミンのような(多分、テルミンだと思うんだけどなあ)幽霊サウンドがテーマモチーフを奏でます。
これはとても印象的なテーマです。
このテルミン(と断定してしまおう)は、スコアの中で何度も顔を出します。
バーナード・ハーマンのSFやダニー・エルフマンの「マーズ・アタック」みたいです(^^;)
この人の手がけるスコアはストリングスを中心に演奏されることが多く、
本作のように派手めのブラスを使うことはあまり無いと記憶しています。
そのせいか、ブラスが「鳴る」アクション・スコアは何となく違和感があります。
サントラは、海外でCDになったことがありますが、既に廃盤でした。
今回発売されたFSM12枚組では、DISC7に収録されています。
多分リマスターしてあるんだと思いますが、LP持ってないので比べようがありませんm(_ _)m。






・・・と、ここまでが過去記事。

上記FSMの12枚組は既に廃盤になっていると思われますが、このサントラもダウンロード版が出ています。