SHOGUN
監督: ジェリー・ロンドン
音楽: モーリス・ジャール
出演: リチャード・チェンバレン、島田陽子、三船敏郎、フランキー堺、目黒祐樹、金子信雄、安部徹、高松英郎、宮口精二、夏木陽介、岡田真澄
1980年 アメリカ/日本映画

 

 


・・・平日の過去記事アーカイブシリーズ。



 

元々は、アメリカで放映されたTVミニ・シリーズだったものを劇場用160分枠に再編集した作品。
ジェームズ・クラベル原作の同名小説を元に製作された米日合作のTVムービーです。
主演は主人公「三浦按針=ウィリアム・アダム」役のリチャード・チェンバレン以外はほとんど日本の俳優が脇を固めています。
まあ、日本が舞台なので当たり前といえば当たり前なのですが(^^;)
オランダ商船が難破して伊豆に漂着した英国航海士が、戦国の大名「虎長」(三船敏郎)や日本人女性(島田陽子)との絆を深めていくというお話。
160分バージョンが公開された翌年、日本でもオリジナルのTVシリーズが朝日系で放映されました。
うちの地元では、平日の夕方4時頃という変な時間帯に放映されたような記憶があります。
日本人の俳優が大勢参加していることもあり、よくある外国人が描く日本の誤ったイメージというのは全く感じられません。
ただ、砂浜で按針を押さえつけて、その上から武士が小便をかけるシーンがありましたが、あれだけはあんまりだと思いました。

余談ですが、80年代にアメリカで量産された「忍者」ものは、ほんとヒドイ。

武家屋敷の裏の障子を開けたら裏庭が小さな田んぼになっていて、主がそこでベトコンのような傘をかぶって田植えをしていたり、
掛け軸がかかっている狭い床の間の中でお客さんと向き合って正座して「いらっしゃませ」なんてやってたり、
まあ、それはそれで笑えるのですが・・・、正しい日本のイメージってなかなか外国人には定着しないようです。

 



 

音楽は、モーリス・ジャール。
この人の起用は、正直大正解だったと思います。
日本の琴や笛や和太鼓等、和楽器を取り入れて、日本のイメージをうまく消化しながら、
独特のジャール節と見事に融合させています。
元々、オリエンタルな香りのするパーカッションの使い方をする人なので、
和太鼓の使い方はかなり独創的だったように思います。
テーマメロは、日本の時代劇の音楽をよく勉強しているなという感じを受けました。
日本の時代劇でも実際にありがちなメロです。
低音を強調したブラスの使い方に、ジョン・バリーの「キング・コング」をちょっとだけイメージしてしまいます。
サントラは、先頃米INTRADAから限定3000枚でCD化されました。
リマスターされていますが、収録音音源はLPと同じ。
もともと、10時間のシリーズなので未発表音源はかなりあると思われるのですが、
本作は、160分枠バージョンのサントラとして理解した方がよさそうです。

 

 

 



・・・と、ここまでが過去記事。

その後、2017年に米intradaレーベルから3枚組の長尺盤CDが発売になりました。テレビで流れた音源とLP音源の両方が入っています。そして、現在ではダウンロード版も入手可能です。