BREAKTHROUGH
監督:アンドリュー・V・マクラグレン
音楽:ペーター・トーマス
主演:リチャード・バートン、ロバート・ミッチャム、ロッド・スタイガー、クルト・ユルゲンス、クラウス・
レーヴィッチェ、ヘルムート・グリーム、マイケル・パークス
1978年 西ドイツ/アメリカ映画

 

 

アンドリュー・V・マクラグレン監督、70年代後期の混迷を象徴するー作。
これが「ワイルド・ギース」と同じ監督だもんなあ。
「戦争のはらわた」の続編ということになっていますが、継承したのはキャラ設定くらいです。
でもなあ、スタイナーがリチャード・バートンって、そりゃないぜって感じです。
しかもドイツ軍の制服が全然似合わねえ~。
今回は、ノルマンディ上陸作戦前夜のヨーロッパで、ヒトラー暗殺計画が持ち上がる中で、
スタイナーが連合軍と影で取引きしたり、いろいろと活躍しちゃうというお話です。
キャストは豪華なのですが‥‥・。
戦車はそれなりに出てくるようですが、時代考証はでたらめで、
M48パットン戦車等、何も考えず使ってます。
かつてレンタルビデオが出回っていましたが、パッケージもお粗末だったのでなかなか観る気がしませんでした。
勇気を振り絞って観たら、やっぱりつまんなかった。
その上、ビデオ版はオリジナルを30分近くカットした編集版ということが判明、
オリジナル版はもう少しまともに観れるのかなあ・・・

 

 

 

 

音楽は、ドイツのペーター・トーマス。
もともとモンドでラウンジ系な音楽を得意とする人のようです。
ですから戦争映画の音楽など担当すべきではなかったようです。
結果は、なんとも小粒で中途半端なミリタリー調に70年代マカロニ・ウェスタンを掛け合わせたような奇妙なサントラになってしまっています。
戦争映画の音楽としてはかなり異端な音になっています。
哀愁のハーモニカがフィーチャーされていて、それだけでウェスタン情緒満点です。
一応ミリタリーっぽいスネアドラムが入るのですが、オケが薄っぺらいのでスケール感はありません。
どのくらい薄っぺらいかというと、子供の頃、ソノシートで聴いた「ウルトラマンA」の主題歌のバック演奏並みです(^^;)
アーネスト・ゴールドが手がけた前作の格調高さには遠く及ばないという出来映えです。
サントラの中盤では、メロウなトーンのエレキ・ギターの曲まで出てきて、この頃になると一体自分が今何のサントラを聴いているのか完全に分からなくなります。
本編同様かなり迷走した内容になっています。
サントラCDはドイツ盤のみ存在するようですが、既に廃盤です。
熱心なフアンのみにお勧めする奇盤です。