THE DEAD ZONE
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
音楽:マイケル・ケイメン
主演:クリストファー・ウォーケン、ブルック・アダムズ、マーティン・シーン、ニコラス・キャンベル、トム・スケリット、アンソニー・ザーブ、ハーバート・ロム、コリーン・デューハースト

1983年カナダ映画



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数あるスティーヴン・キング原作の映画化作品の中でも、これは成功した部類に入るSFサスペンス。
交通事故に遭った男が、長い昏睡状態から目覚めると未来を予知する能力が備わっていたというお話。
手を触っただけで、相手の未来を予知出来るようになりますが、1人の議員が将来、人類を破滅させてしまうことを知った男は・・・というストーリーです。
予知能力をどう使うかというところなんでしょうが、この作品では超能力が備わってしまったばかりに、
知りたくもない未来を知ってしまい、人生を狂わされてしまう気真面目な男の悲哀を見事に描いています。
将来、相手が世界を破滅に追い込むことが分かって、これをなんとか自らの手で阻止しようとする・・・というくだりは
「オーメン」や「ロスト・ソウルズ」にも通じるのかなと思います。
キャストはクローネンバーグの初期作品にしてはかなり豪華で、製作もディノ・デ・ラウレンティスなのですが、語り口はとても静かで地味な作風です。

 


 

 

 

音楽は、これまでクローネンバーグ作品を数多く手がけてきたハワード・ショアではなく、マイケル・ケイメンが
担当。
演奏はナショナル・フィルを起用しており、ケイメン初期の作品ですが、重厚な味わいがあります。
本作でのショアの起用は、まだ知名度が低いということで、製作者側が難色を示し、ケイメンにお鉢が回ってきたと言う話を聞いたことがありますが、
ケイメンが登板してもやっぱり陰影のあるダークなトーンの管弦楽に仕上がっているのが面白い。
ショアのスコアと何となく似ています。
そう考えると、一連のクローネンバーグ作品のスコアで聴かれるダークな傾向は、監督の趣向がかなり反映された結果なのではないかと思ったりします。
ケイメンが本作のために作曲したスコアは、ショアが手がけたものに比べると、陰鬱な中にも「美しさ」と「物悲しさ」を感じさせるスコアになっています。
本編と同じく、かなり地味なスコアですが、深い味わいのあるケイメン初期の傑作と言えるのでは・・・・。
サントラはCDが発売されており、現在も入手可能だと思われます。

 



 

 ・・・と、ここまでが過去記事。

現在では、ダウンロード盤が出ていて、 入手可能です。