SCORPIO
監督: マイケル・ウィナー
音楽: ジェリー・フィールディング
出演: バート・ランカスター、アラン・ドロン、ポール・スコフィールド、ゲイル・ハニカット、ジョン・コリコス、J・D・キャノン、ヴラデク・シェイバル
1973年 アメリカ映画

 

 

 

マイケル・ウィナー監督がスパイの非情な世界をクールに描いたCIAモノのスパイ・サスペンス。
CIAエージェントの主人公が、仕事の相棒が実は旧ソ連と通じている二重スパイだと知らされ、
その始末を命じられますが、長年活動を共にしてきた仲間を簡単に殺すことが出来ず苦悩しますが、

 

 

CIAの策略もあり、遂には実行に移す・・・というお話。
話の舞台が、アメリカ、フランス、オーストリアとポンポン変わっていく国際色豊かな作品です。
007のような華麗なスパイの世界とは正反対な、スパイの重くハードな一面を前面に押し出した内容になっています。
一見、地味な題材ですが、ウィナー監督の手腕で、とてもスリリングな展開を見せるスパイ・サスペンスに仕上がっています。
主人公を演じるアラン・ドロンの表情がとてもいいです。特にネコと戯れるラスト、渋い。

音楽は、ジェリー・フィールディング。
マイケル・ウィナー監督とは「追跡者」、「妖精たちの森」、「チャトズ・ランド」、「メカニック」に続いて、5度目のコンビとなります。
サントラ盤は、今月1日に米Intradaレーベルから1500枚限定で初のオフィシャル・リリースが実現したのですが、
たった半日で瞬殺(完売)されてしまいました。
「デルタ・フォース」の時と同様、今回も買い逃したかと途方に暮れていたのですが、
うちのブログによくコメントをくださるササポンさんの情報で、なんとかCDをゲットすることができました。
ササポンさんに感謝(^o^)
最近、この手の限定リリースの人気盤は、いわゆる「転売屋」が横行するようで、
後で高値で売りさばくために大量に買い占めるらしいです。
ほんと、こういうのやめて欲しいです。
このサントラ、かつてはプライベート・リリースに近い形でLPが発売されていたのですが、
CD化にあたって大幅に曲数が増えており、22曲60分と大盤振舞いになっています。
肝心の内容ですが、テーマ曲は哀愁を帯びたアコーディオンのメロにストリングスが絡むドラマティックな曲です。
劇伴の前半はアンダースコアに徹した曲が多く、本編を見たことのない人は多少中だるみする感じがあるかもしれませんが、
後半に7分に及ぶスリリングなジャズ系アクション・スコアが収録されていたり、個人的には大満足のアルバムです。
例のフィールディング印の緊張感ある乾いたスネアも健在です。
またブログでいつもお世話になっているKazzpさんのお話では、
今回発売されたCDは、以前発売されたLPに比べて音がこもっているそうです。
せっかくCDにするんだから、しっかりリマスターすればいいのになあと思ってしまいます。
なお、CD5曲目に後の「ダーティ・ハリー3」の原形と思しき曲が入っています(^o^)。