JOHNNY YUMA
監督: ロモロ・グェッリエリ
音楽: ノラ・オルランディ
出演: マーク・ダモン、ロザルバ・ネリ、ローレンス・ドブキン、ルイス・バナー、フィデル・ゴンザレス
1966年 イタリア映画

 

 

 

アメリカ人のマーク・ダモンを主役に迎えたマカロニ・ウェスタンの1本。
この人、後に製作者に転向して、「コットン・クラブ」、「ファイナル・カウントダウン、「モンスター」等を手がけた変わり種です。
資産家の男が死ぬ前に遺産の受取人を放浪中の甥にしていたことから、遺産に目がくらんだ妻が殺し屋を雇って甥を殺させようとするが・・・・というストーリーです。
殺し屋は甥殺しを依頼されますが、甥もろとも殺し屋も始末しようとする妻の卑劣なやり方に甥と手を組んで逆襲に転じるという展開だったように思います。
この悪妻は殺し屋をだまし討ちで殺害して、自分は馬車で逃亡しますが・・・・・最後はちょっとだけひねってあります。
ネタバレになるので書きませんが、悪いヤツは最後には・・・・とだけ書いておきましょう。

 

 

監督は「二匹の流れ星」や「夜の刑事」、「黄金の三悪人」のロモロ・グェッリエリ。
この監督、同じようなスタッフで「デボラの甘い肉体」(1968年)なんてタイトルの映画まで撮ってます。

 

音楽は、イタリアのノラ・オルランディ。
マカロニ・ウェスタンでは他に「二匹の流れ星」等を手がけた人ですが、
最近まで女性であることを全然知りませんでした。
女性がこんなに武骨で汗くさいスコアを書くんだと思ってまたまたビックリ。
主題歌の「Jonny Yuma」がメチャクチャカッコいいのですが、そう言われてみればマカロニの王道を行く展開の中にも女性的で繊細な部分を垣間見ることが出来ます。
なによりボトムが軽く、主題曲にバンジョーを使って軽快な雰囲気を出すところなど、他の硬派なマカロニ作品にはあまり観られない傾向です。
(軽いタッチのものでは「荒野の大活劇」などがありますが・・・)
この歌、僕がまだ小学生の頃、RCAから出たマカロニ・ウェスタンのコンピレーションLPで初めて聴いたのですが、
思い切りハマってしまいました。
(なんという小学生でしょう。この頃、僕のまわりの友達はみんな「ピンク・レディー」にハマってました(T_T))

 

あんまり聴きすぎて、「Johnny Yuma, Don't Go~ Johnny Yuma, Stay Here~」っていうサビの歌詞を覚えてしまいまいた。

歌っていたのは、ワイルダー・ブラザーズという人たち。
その後、僕も大学生になり、イギリスのネオアコ系のギター・バンドにハマッた時期があるのですが、
他のマカロニの主題歌は暑苦しくて聴けないと感じる中、この曲だけは当時も全く違和感無く聴けました。
劇伴は、モリコーネの諸作に代表されるマカロニ節のセオリーに則った曲が並びます。
エコーをタップリ聴かせたエレキ・ギターとオケの取り合わせや、
テーマ・モチーフをアコースティック・ギターやオカリナ、定番のハーモニカ等を使って哀愁たっぷりに奏でたり、
主題歌以外はガクンと曲の質が落ちるマカロニ作品が多い中、本作は聴きどことの多いサントラだと思います。
サントラは、LPが出ていたのかどうかは分かりませんが、
イタリアで「南から来た用心棒」とのカップリングによるサントラCDが発売されています。
(ジャケは「南から来た用心棒」のもの)
アルバムラストに「Jonny Yuma」のオルタナティヴ・バージョン(^^;)が収録されています。