映画評論家の水野晴郎さんが亡くなられました。
水曜ロードショーの時代からずっとファンでした。
この人が映画を語る時、いつも映画への「愛」が溢れていて、
どんな駄作も決してけなすようなことをしな人という印象がありました。
ご冥福をお祈りしますm(_ _)m

 


 

今回は僕の友人からのリクエストでアップします。
彼はいつも「鬼火」、「新幹線大爆破」、「灰とダイヤモンド」等々といった無理難題なリクエストを僕にするのですが、いつも却下してばかりなので、今回は水野晴郎さんへの追悼の想いも込めてアップしました(^o^)

 

 

 

監督: MIKE MIZNO(水野晴郎)
音楽:データなし
出演: 水野晴郎、かたせ梨乃、菊池孝典、アガタ・モレシャン、シェリー・スェニー、西田和晃、占野しげる、エリック・スコット・ピリウス、フランク・オコーナー
1996年 日本映画

 

 

 

 

映画評論家の水野晴郎さんがMIKE MIZINOを名乗り、原作・監督・脚本・主演の4役をこなした映画監督デビュー作を紹介します。
世間では、「シベ超」という愛称で知られるミステリーシリーズで、7作目くらいまで作られたと思います。
水野さんの棒読みのセリフ、極限まで予算を切りつめたセット、都合の良い脚本、ツメの甘い編集等、「ヒドイ」と酷評されることが多い作品ですが、
みうらじゅん氏を始め、一部で「カルト」な指示を集めた作品です。(僕もこの映画は指示します(^o^))
つっこみどころは満載ですが、個人的には映画への「愛」が溢れた手作りの温かいぬくもりを感じさせる作品だと思います。
ベニヤ板で作った全く動かない列車のハリボテの中で繰り広げられるサスペンス等、学生が撮ったような映画ではありますが、
ヒッチコックを始めとする随所に散りばめられた名作へのオマージュ、二重三重に用意されたドンデン返し、戸田奈津子さんの翻訳字幕等
映画ファンなら許せるエッセンスがタップリ入っています。
第二次世界大戦前夜のシベリアに向かう列車の中で起こる密室殺人を日本軍の大将が解き明かすというストーリーです。
個人的にお気に入りのシーンは、冒頭、閣下が初めて話すセリフ「「ボルシチも結構うまかった。おかげで体も温まったぞ」と、出番待ちをしている閣下が不意にカメラに映ってしまうシーン(^_^;)

 

 

 

 

音楽は、データが無いので誰が担当しているのか分かりません。
サントラは、「1」~「3」までを1枚にまとめたものが発売されており、「2」や「3」はJIM DADDYという人や複数の人が手がけているようです。
「シベ超」も当初はサントラまで発売する気はなかったようで、このCDも「3」のスコアを中心に収録されており、
「1」「2」は、フィルムからの音源をセリフが入ったまま収録しています。
「3」のスコアも似たような始まり方をする曲が多く、頭出しで各曲を聴いていくと、
なんの感銘も残らずCDが終わってしまいます。
そんな中で、このCDの最大の聞き物は、ボーナスとして収録された、佐伯大尉が歌う「閣下音頭」と、なんと閣下が歌う(?)「RAPシベ超」。
「閣下音頭」は、佐伯大尉を演じる西田和晃がシベ超のつっこみどころ(列車が動いてないところ等)を取り上げて笑わせてくれます。
「RAPシベ超」は、厳密に言えばRAPではなく、水野さんがRAPを歌えるハズもなく、
実際はレトロポップなBGMに乗って、水野さんが「シベ超」1~3までの見所を解説するという曲。
当然、解説とバックのリズムはシンクロもしなければ、韻も踏みません(^_^;)
でもこの2曲は聞き物です。

 

 

 

もちろん、「RAPシベ超」のしめくくりは・・・
「いや~、映画って、ほんっとに いいもんですね。」