THE STUNT MAN
監督:リチャード・ラッシュ
音楽:ドミニク・フロンティア
主演:ピーター・オトゥール、スティーヴ・レイルズバック、バーバラ・ハーシー、アレン・ゴーウィッツアダム・ロアーク、アレックス・ロッコ、シャロン・ファレル
1980年アメリカ映画

 

 

偶然の成り行きで映画の撮影現場でスタントマンとして働くこととなった青年と映画監督との交流と確執を、撮影現場の内幕などを織り交ぜながら描いた作品です。
殺人未遂で警察に追われる身になった青年が、逃走する途中でたまたま映画の撮影現場に迷い込み、上空でその様子を見ていた映画監督に
軽い身のこなしが気に入られて、撮影中の作品のスタントマンとして働くこととなる‥‥というストーリーだったと思います。
青年をスタントマンとして雇う鬼監督を演じたピーター・オトゥールの演技が素晴らしいということで、
なぜか彼がその年のアカデミー「主演」男優賞にノミネートされています。
ほんとは「スペース・バンパイア」のスティーヴ・レイルズバックが主演のはずだけど‥‥(^_^;)
クライマックスからラストにかけて狐につままれたような感覚を覚えるので、これは「カルト・ムービー」の中に入るのかもしれません。
その昔、TV(深夜枠だったかなあ)で1回だけ観たような記憶がありますが、記憶自体が古いので余計カルトな映画に思えて、なんだかモヤ~っとした妙な感覚が残ってます。
脱線しますが、中高生の頃、深夜枠で観た映画って、眠気も手伝ってなんとも言えない独特の記憶となって残ります。
僕の中でその最たるものが、「霧の中の殺人者」というアメリカ映画。
スタッフ、キャストととも知らない人ばかり、ストーリーも訳わかんないし、ラストの銃撃戦に至ってはあっけにとられる、
コメディなのかシリアスなのかよく分からないストレンジな映画で、
深夜に観たせいで余計に妙な余韻が残って、未だに「あれは-体何だったんだろう」と思い返すことがあります(^_^;)

 

 

 

音楽は、ドミニク・フロンティア。
サーカスで流れるようなズンタ、ズンタというジンタのリズムの、なんだか昔懐かしいメロディの曲がオープニングに入っています。
これが一つのモチーフになっていて、メイン・タイトルを始めスコアの中でアレンジを替えて何度か顔を出します。
主題歌扱いの「Bits&Pieces」を歌うのは、イギリスのダスティ・スプリングフィールド。
スコア中のもう一つのモチーフ、メイン・テーマのメロに歌詞を付けた曲ですが、ちょっと憂いを帯びたキレイなメロの曲です。
このモチーフは、ピアノや流麗なストリングスによって演奏されます。
全体で約26分しかない短いスコアですが、明確でキレイなメロを持った力作です。
このサントラは、1980年のゴールデン・グローブ歌曲賞を受賞しています。
ちなみに同年の歌曲賞にノミネートされたのは、「アメリカン・ジゴロ」、「ある日どこかで」、「コンペティション」、「スター・ウォーズ帝国の逆襲」、「フェーム」といったところでした。
サントラはLPだけでこれまでCD化されていませんでしたが、今年、米lntradaレーベルから「結婚しない女(ビル・コンティ)」とのカップリングでめでたくCD化されました。
一応3000枚限定なので、そのうち無くなるかも。
お好きな方はお早めに(^o^)