ICE CASTLES
監督:ドナルド・ライ
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ
主演:リン・ホリー・ジョンソン、ロビー・ベンソン、トム・スケリット、コリーン・デューハースト、ジェニファー・ウオーレン
1978年アメリカ映画




平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・



 

全米フィギュアスケートの花形スケーターだったリン・ホリー・ジョンソン(当時18歳)を主役に迎えた恋愛ドラマ。
冬季オリンピック出場を目指してフィギュア・スケートの練習を重ねる少女が主人公で、彼女を支える恋人や父親、コーチたちとの心の交流と予期せぬアクシデントとそれを乗り越える姿を感動的に描いています。
本編の中盤で不慮の事故に遭いほとんど失明状態となってしまった少女が、それを隠して選考大会に出場し、
見事に滑りきるクライマックスには素直に感動します。
この手の映画によくある憎まれ役のライバルが登場しないので、スポーツ・ドラマというよりラヴ・ストーリーという側面の強い作品だと思います。
一見地味な題材ですが、丹念に作り込まれた非常に良くできたドラマで、是非もう一度観てみたい作品です。
名手ビル・バトラーによる撮影も素晴らしく、リン・ホリー・ジョンソンの可憐なスケート・シーンを余すとところなく捉えています。
当時、この映画でリン・ホリーの愛らしさにノックアウトされた人も多いハズ。
僕はリン・ホリーよりも、主題歌にノックアウトされた方ですが‥‥(^_^;)

 

 






 

音楽は、「追憶」等で知られるマーヴィン・ハムリッシュ。
この人は、本作のためにとてもポップで美しいスコアを提供していて、
ピアノや流麗なストリングスを使ったロマンチックな曲を始め、スケート・リンクによくマッチしたスコアを書いています。
この音楽が映像をさらに引き立たせていたと思います。
クラシックをアレンジしたバロック調のスコアや、ちょっとロックのテイストが入ったノリのいいスコア等、全体的に明るい曲が多いのが特徴です。
主題歌はマーヴィン・ハムリッシュが作曲し、キャロル・ベイヤー・セイガーが作詞した「この愛に生きる(Through The Eyes Of Love)」という曲で、
メリサ・マンチェスターが歌って1979年のアカデミー歌曲賞にノミネートされています。
さすがノミネートされるだけあって、この主題歌は美しいメロディを持った素敵な曲です。
メリサ・マンチェスター自身のアルバムに収録されているかどうかは分かりませんが、
ピアノのイントロから始まって次第に盛り上げていく珠玉のバラードです。
劇伴にはハムリッシュのスコアの他に、アラン・パーソンズ・プロジェクトの小曲が1曲収録されています。
公開当時発売されたサントラ盤LPは、アルバム・ジャケの表面がツルツルにコーティングされた厚手の紙で出来ていました。
ジャケットの中にはLPレコードと2つ折りのリン・ホリー・ジョンソンのポスターが入っていました。
サントラ盤はLPだけかと思っていましたが、嬉しいことにどうやらアメリカではCDが発売されているようです。

ボーナス・トラックは無く、LPと同様、9曲入り31分収録ですが、それでもファンは―聴の価値有りでしょう。

 




・・・と、ここまでが過去記事。

珠玉の主題歌はメリサ・マンチェスターのベスト盤にも収録されていましたが、サントラCDは今ではプレミアがつけられています。