HANNIBAL BROOKS
監督:マイケル・ウィナー
音楽:フランシス・レイ
主演:オリバー・リード、マイケル・J・ポラード、ペーター・カルステン、ウォルフガング・プライス、ヘルムート・ローナー、カリン・バール
1968年イギリス映画




平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・



 

 

 

 

 

イギリスらしいヒネリの利いた異色の戦争映画。
第二次世界大戦下、動物園の象を連れてアルプス越えに挑戦する連合軍兵士の姿を描いています。
ドイツ軍の捕虜となったイギリス軍兵士が動物園の象の飼育係を命じられ、その象をドイツ国外に移送する手伝いをさせられますが、
途中から象を連れての脱走劇になってしまうというストーリーです。
動物映画と戦争映画が合体したような映画で、のどかなシーンと迫力満点の戦闘シーンが同居する摩詞不思議な戦争アクションです。
映画の後半、崖の上から巨大な丸太を落として列車を転落させるシーンの迫力が凄かったような記憶があります。
本作品に出てくる象は確かメスのインド象だったような。
てことは、本作品のヒロインは象ってことになります。

そういえば、戦時下、象を連れて移動する映画と言えば、
ベトナム戦争を背景にした「ダンボドロップ大作戦」というのもありました。

 

 

 

音楽は、フランシス・レイ。
本編も型破りなら音楽も型破りです。
戦争映画にフランシス・レイなんて、よく思いついたものです。
フランシス・レイは、戦争映画にも関わらず美メロを本作品のために提供しています。
戦争映画とフランシス・レイという一見悪ふざけとも思える組み合わせが、いい方向に化学反応を起こしています。
オープニングに流れる美メロにはビックリしますが、よく聴くと実にいい雰囲気を出しています。
マンドリンを使った象のテーマはぽんとに美しいな曲です。
スコアの中で最も勇壮なメイン・テーマも、普通のマーチじゃなくて流れるようなリズムの風変わりなマーチです。
途中でフランシス・レイ作品にはお約束の「白い恋人たち」系男性コーラスが入るのはご愛敬。
さすがフランシス・レイだけあって、アルバム単独でも十分鑑賞に堪えるイージーリスニングな作品に仕上げています。
アレンジャーとして、フランシス・レイ作品には欠かせないクリスチャン・ゴーベールが絡んでます。
サントラ盤はかつて米ChapterⅢというレーベルから「特攻大作戦」とのカップリングでCDが発売されましたが、
このレーベルが倒産したため、現在では廃盤で、オークションでは結構な高値で取引されています。
本作もどこかのレーベルがCD化してくれないかなあ。





・・・と、ここまでが過去記事。

その後、2008年に米FSMレーベルからMGM作品のサントラ12枚組コンピレーション"The MGM Soundtrack Treasure"が1200枚限定で発売されましたが、その中に本作品のスコアも丸ごと収録されてされました。

現在では、ダウンロード版が入手可能です。