SUPERMAN II
監督:リチャード・レスター
音楽:ケン・ソーン
主演:クリストファー・リーヴ、マーゴット・キダー、ジーン・ハックマン、テレンス・スタンプ、ジャッキー・クーパー、ネッド・ビーティ、サラ・ダグラス
1981年アメリカ映画

 



平日の過去記事アーカイブシリーズ・・・



 

 

前作と同時に撮影されていた「スーパーマン」シリーズの2作目。
前作と同時進行で撮影されたにもかかわらず、途中で監督の交代劇があって、
リチャード・ドナーからリチャード・レスターに交代しています。
(噂では、既に大半を撮影済みにも関わらずオクラ入りになったリチャード・ドナー版の「スーパーマンII」が存在するらしいのですが・・・み、観たい。)
リチャード・レスターの演出は、前作に比べてコミカルな要素が強く、ノリも軽いのがちょっと難点。
クリプトン星の悪人ゾッド将軍たちとのバトルが本作の目玉として用意されており、
ドラマが軽い分、アクションが充実しています。    
ロイスとの愛のため、自らスーパーパワーを封印して人間と同じ体になったスーパーマンが、ゾッド将軍の登場で再び力を取り戻し、対決するまでが描かれています。
その経過にはちょっと無理があるけど‥‥・。
ゾッド将軍を演じるテレンス・スタンプは、顔面蒼白でまるで「悪魔の墓場」に出てくる解剖体ゾンビみたいです(^^;)

 

 

 

 

音楽は、イギリスの中堅、ケン・ソーン。
「ジャガーノート」等の音楽を手がけた人で、過去に「ローマで起こった奇妙な出来事」でオスカーを受賞したこともある才人。
基本的にウィリアムズによる前作のメロ、モチーフをそのまま活用したスコアになっていて、
あまり本人の力量を発揮出来る場ではなかったようです。
前作のロンドン・フィルと比べる方がかわいそうなのかも知れませんが、
オケもこぢんまりとした編成のオケで、どうしてもショボさは拭えません。
さらに、「2」「3」「4」に共通することなのですが、イントロからテーマにつながる曲の立ち上がりが瞬発力に欠けるのが致命的です。
1作目の演奏を手がけたこの頃のロンドン・フィルには、奏者の中にものすごく切れのいいトランペットを吹く奏者がいたようで、
あのきらびやかなトーンは他ではマネできないでしょう。
そのせいもあって、本作品のスコアはオリジナルに比べると音が薄い上にリズムがモッサリしているのです。
まあ、劇伴になると違和感も消えて、落ち着いて聴くことが出来るようになるのですが・・・
本編が前作に比べて割とコミカルな味付けが施されているせいもあって、
それ風のコミカルなトラックの方がオケの編成に合っていて、スーパーマンのサントラであることを忘れる瞬間があります。

サントラは、公開時にLPが発売されたほか、後にCD化もされています。
さらに、先月米FSMから発売された「1」〜「4」までのBOXセットでは、サントラLPの時代に比べて大幅に曲が増えて、全28曲80分も収録されています。

しかし、このセット、タワレコでは2万円もするみたいですね(T_T)。

 

 

 

 ・・・と、ここまでが過去記事。

 その後、米la-la-landレーベルから「2」と「3」がカップリングとなった長尺盤CDが発売され、さらに、2021年になって、「2」単独の3枚組?エクスパンデッド盤が発売になっています。

ちなみに、本編を何十年ぶりかで観賞した際は、特殊効果がショボいのは仕方ないとしても、ストーリー展開がほとんど学芸会のようなノリなのには驚いてしまいました 笑。

しかし、その後、念願のリチャード・ドナー版を観たことろ、ドラマ部分があちこち違ってるし、マーロン・ブランドが出てるし、スコアはジョン・ウィリアムでケン・ソーンは追加スコアになってるし、劇場公開版を観た時の学芸会のようなノリは全く感じられず、よりシリアスになってるし、こっちの路線で公開すれば良かったのにと思いました。

特に、スコアがジョン・ウィリアムズだとこんなにも作品に風格が出るものなのかと感心してしまった次第 笑。