FRANKENSTEIN: THE TRUE STORY
監督: ジャック・スマイト
音楽: ギル・メレ
出演: マイケル・サラザン、ジェームズ・メイソン、レナード・ホワイティング、デヴィッド・マッカラム、ジェーン・シーモア、マイケル・ワイルディング、ラルフ・リチャードソン、ジョン・ギールグッド
1973年 イギリス映画

 

 

 

 

その昔、ゴールデン洋画劇場で観て以来、子供心にトラウマになった怪奇映画の異色作。
どうしてももう一度観たいと思っていたところ、なんとアメリカでDVDが発売されていました。
TVでは90分枠の洋画劇場で放映されたのですが、実はもともとイギリスのTVムービーとして製作され、オリジナルは183分もある長尺もの。
DVD化されたのは当然オリジナルの長尺バージョン。
これを観ると洋画劇場版がいかにズタズタにカットされていたのかが分かります。
その豪華キャストや70年代にしては精巧でエグい特殊メイク等、とてもTVムービーとは思えない完成度の作品です。
実験用の腕が勝手に歩いたり、当時の水準としてはかなり頑張ってます。
フランケンシュタインが生命を吹き込まれるシーンでは、いろんな色の付いた無数のオイルの玉が水槽の中を舞うのですが、
そのゼリービーンズのような色彩感覚が妙に昭和の頃を思い出してノスタルジーな感じになります(^^;)
ケネス・ブラナー版のフランケンシュタインに先駆けること20年、原作にきわめて忠実なフランケンシュタインものが製作されていたことに驚きです。
フランケンシュタイン役のマイケル・サラザンの端正な顔が次第に崩れていく様が見物です。

 

 

 

音楽は、「アンドロメダ・・・」のギル・メレ。
この人は、サントラ盤に縁が無く、アルバム化されたのは「アンドロメダ・・・」と「LAST RACE」とか言う映画くらいではないでしょうか。
本作も当然の事ながらサントラ盤など存在しません。
しかしながら、あの印象的なテーマ曲はトラウマになりました。
その昔、テーマ曲をTVからカセットテープ・レコーダーに録音して何回も聞いていたので、余計に脳裏に焼き付いたのだと思いますが、
イントロのキラキラの音はたぶん「アンドロメダ・・・」の流れなのかなあと思いつつ、

途中のストリングスもなんとなく不気味な調べ、
そしてラストに向けてグイグイとラッバで盛り上げていくスペクタクルな展開は秀逸です。
正に怪奇映画に相応しい音をしています。
サントラの無い映画を紹介するのはちょっと反則かなと思いつつ、
米版DVDを観る機会があってあまりの懐かしさについアップしちゃいました(^^;)m(_ _)m