HOT SHOTS!
監督: ジム・エイブラハムズ
音楽: シルヴェスター・リヴェイ
出演: チャーリー・シーン、ケイリー・エルウィズ、ヴァレリア・ゴリノ、ロイド・ブリッジス、ケヴィン・ダン、ジョン・クライヤー、エフレム・ジンバリスト・Jr
1991年 アメリカ映画

 

 

 

デヴィッド&ジェリー・ザッカー兄弟とトリオで活動していたジム・エイブラハムズ監督が、独り立ちして単独でメガホンを取ったおバカ・パロディ映画。
ベースは「トップガン」で、その中に「愛と青春の旅立ち」やら「ナインハーフ」やら「ロッキー」やらいろんな映画のパロディをぶち込んでいます。
かなりベタなギャグもあって、見てていたたまれなくなる場面もありますが、力業で押し切ってます(^^;)
日本人には馴染みのない、あっちのTVやCMのパロディなんかもあるので、アメリカ人はもっと笑えたことでしょう。
チャーリー・シーンが思い切り真面目な顔で大ギャグをかます姿が結構笑えます。
他のキャストもおよそギャグとは無縁と思われる人ばかりで、このアンバランス感がまたいいのです。
なお、こんなバカ映画の撮影を担当したのは、「ジョーズ」や「カプリコン1」の撮影を手がけた名手ビル・バトラーだというから驚きです。

 

 

 

 

音楽は、「エアウルフ」のシルヴェスター・リヴェイ。
「フライング・ハイ」(バーンスタイン)、「トップ・シークレット」(ジャール)と大物作曲家を贅沢に使ってきたのですが、
ここに来て現代的なライトなモチーフを得意とする人を起用しています。
この人は「エアウルフ」のスコアに代表されるように、シーケンサーを使ったロックテイストのシンセ・スコアを得意とする人です。
本作でも、テーマ曲から快調に飛ばしてます。
古風なリズム・ボックスの音から一気にディストーション・ギターをフィーチャーしたロック・サウンドが展開します。
この辺は、「トップガン」のスティーヴ・スティーヴィンスのギターを意識してますね(^o^)
他の劇伴も、コメディとはいえオケもしっかりしており、アルバム単独でも十分鑑賞に堪える作品です。
そういえば、「トップガン」を担当したハロルド・フォルターメイヤーもこの人もジョルジョ・モロダー門下生でした。
本作は、多分CDはもう廃盤なんじゃないかと思いますが、
シルヴェスター・リヴェイにとって初のフル・スコア・アルバムであり、その意味でも貴重な1枚と言えます。