THE MANITOU
監督: ウィリアム・ガードラー
音楽: ラロ・シフリン
出演: トニー・カーティス、スーザン・ストラスバーグ、アン・サザーン、バージェス・メレディス、マイケル・アンサラ、ステラ・スティーヴンス
1978年 アメリカ映画
・・・今夜も過去記事アーカイブシリーズ。
「グリズリー」等のB級パニック映画ばかり撮っていたウィリアム・ガードラー監督の一世一代の傑作にして遺作となる1本。
ある日、女性の首にこぶし大の腫瘍が出来、それがどんどん大ききなって中からインディアンの胎児の姿をした悪霊ミスカマカス(ミルマスカラスじゃないよ)が出てくるという奇想天外な発想のオカルト・ホラー。
この人、本作を撮影後、事故死しちゃうのでした。(ちょっとコワイ(^^;))
インディアンの祈祷師と悪霊の戦いなんて、エクソシストのパクリみたいですが、万物にはマニトウと呼ばれる精霊が宿っていて、
それがミスカマカスと戦う力があるなんて発想、結構面白かったです。
ただクライマックスは壮大な異次元宇宙空間にジャンプしちゃって、あらららという感じで終わってしまいます。
特撮に名匠リチャード・エドランドが参加しているのはこのためだったんですね。
また特殊メイクはトム・バーマンが手がけており、そこそこのクリーチャーを創造しています。
小学生の頃に観たときは、ミスカマカスが結構キモくて怖かったのと
ラストに出てくる「東京の15歳の少年にも腫瘍が出来て、中には胎児が・・・・」という衝撃のテロップが、子供心にトラウマになりました。
音楽はラロ・シフリン。
インディアンがらみのホラーなので、オリエンタルなフレーズを盛り込んだおどろおどろしいスコアを書いています。
といってもオリエンタルなメロは「燃えよドラゴン」風だったり、ドコドコいう打楽器の音が勇壮な感じです。
神経を逆なでするようなタイプのホラー・スコアではありません。
だから、あんまし「コワイ」という印象はありません。
むしろカッコいい。
劇伴もお得意のフュージョン・タッチの曲があったり、「暴力脱獄」を思わせるドラマ系のストリングス・スコア等があってバラエティに富んでいます。
(劇中、トニー・カーチスがかけるテープの音と劇伴とをかぶせる手法がちょっと粋でした。)
なお、公開当時サントラ盤は発売されず、未だにCD化もされていません。
土俗的なメインテーマや、キーボードのメロが美しいエンド・タイトル等聞き所は結構あるので、
是非CD化して欲しいものです。
ちなみに、アメリカでは以前からモノラル音源のDVDが発売されていましたが、
その後日本のスティングレイからBlu-rayが
発売されています。
なんとステレオ音声も収録しているそうです。
ということは、劇中スコアもステレオか。
そのうちサントラがAlephレーベルから出ないかなあと淡い期待を持ってましたが、CD化の兆しが無いので、Blu-ray買おうかなあ、と思案中です。