PLANET TERROR
監督:ロバート・ロドリゲス
音楽:ロバート・ロドリゲス
主演:ローズ・マッゴーワン,ブルース・ウィリス,フレディ・ロドリゲス,ジョシュ・ブローリン,マーリ
シェルトン
2007年アメリカ映画

 

その昔流行した,駄作を2,3本同時上映する映画館「グラインドハウス」が持っていた雰囲気をその
まま現代のスクリーンに甦らせた作品。
もともとロドリゲスとタランティーノの競作として製作された2本立ての映画を別々に再編集したもの
の1本。
ご丁寧に当時の雰囲気を出すために,フィルムに傷がついていたり,上映中にフィルムトラブルが発
生したりします(^_^;)
化学兵器事故で住民がゾンビ化したアメリカの片田舎で,ゾンビに片足を奪われたダンサーの女が
片足にマシンガンを装着してゾンビたちに立ち向かうというお話。
どうやって片足にマシンガンを付けて,どうやって発射するんだろうという不思議に思います
が,
B級「グラインドハウス」映画ではそんなことを考えてはいけません。
面白ければいいのです。
主演のローズ・マッゴーワンがセクシーでカッコいい。
血飛沫をあげるゾンビたちの造形もB級でとても良いです。(^_^;)

 

 

音楽は,ロバート・ロドリゲス本人。
これにアディショナル・ミュージックとしてグレアム・レベルがちょっとだけサポートしてます。
ハード・エッジなエレキギターやキラー・サックス(笑)がフィーチャーされたそのサウンドは「SIN
CITY」を彷彿とさせます。
たぶん,ギタリストやサックス・プレイヤーも同じメンツなんじやないかと思います。
「SIN CITY」のダークで不良っぽいサウンドにデジロック風のアレンジを加えた音になっています。
劇伴の中に,初期ジョン・カーペンターの音楽みたいなピコピコ・シンセが入っている曲があったりで,
B級ホラー&アクション好きは思わずニンマリしてしまいますね。
そうかと思えば,ミニストリーあたりを思わせるインダストリアルなテクノ・ビートが挿入されたりもしま
す。
スコアの他に主演のローズ・マッゴーワンの歌が3曲,
CHINGONというヘンテコな名前を冠したロドリゲス・バンドの曲,
Nouvelle vagueというシンガーの歌(元デッド・ケネディーズのジェロ・ビアフラが書いた
曲!!)が入っています。
ブルージーで気だるくて,ちょっとメキシカン人っちやってる「GRINDHOUSE BLUES」が超かっこいい
(^^)/
全体的にダークな音ですが,「SIN CITY」を初めて聴いた時よりも,好感が持てます。
ていうか,自分がこの手の音世界に慣れちやったということも出来るかな?
B級を逆手に取ったとてもイカしたアルバムです。