THE DAMNED
監督: ルキノ・ヴィスコンティ
音楽: モーリス・ジャール
出演: ダーク・ボガード、イングリッド・チューリン、ヘルムート・バーガー、ウンベルト・オルシーニ、シャーロット・ランプリング、ルネ・コルデホフ、ヘルムート・グリーム
1969年 イタリア/西ドイツ/スイス映画

 

 

 

ルキノ・ヴィスコンティ監督の耽美で危険な香りのする名作。
ドイツ3部作(本作と「ベニスに死す」、「ルードウィヒ」)と呼ばれる作品の中の一本。
ナチスドイツ第三帝国の隆盛と、これに伴い衰退していく製鉄貴族一家の悲劇を重ねて描いています。
ヤバイ香りのする大河ドラマという感じで、男色、ロリコン、近親相姦なんでもありです。
一族のドロドロした人間模様が描かれていて、結構ヘヴィーです(>_<)
あんまり何回も観たくない作品です。
ヘルムート・バーガーの女装も結構キテます。(サントラジャケ参照)
芸術系の作品だとは思うのですが、スカッとしたアクションを好む僕としてはちょっと苦手な部類です。

 

 

 

 

苦手なクセにサントラを紹介してしまうのも変ですが、
音楽は、モーリス・ジャール。
映像のインパクトの方が強烈すぎて本編を観ている間は音楽の印象があまりありませんが、
見終わってサントラだけ聴いてみると、かなり自己主張のあるしっかりしたスコアになっています。
お得意のパーカッション系の音を多用した、いかにもジャールの作品という音をしています。
60年代後半から70年代初頭はジャールの低迷期とも言われる時期で、
この時期の仕事の中には、イマイチな作品も結構あります。
その点で本作はなかなかの力作だと思います。
退廃的なイメージをむしろ軽めのメリーゴーランド風な音で上手く表現しています。
メイン・タイトルの、インダストリアルな激しさとメランコリックさを兼ね備えた曲調がとても印象的です。
劇伴の中に「ドクトル・ジバゴ」と「ライアンの娘」を足して2で割ったような曲があるのはなんででしょう(^_^;)
本編のラストに流れるドイツ語の歌は未収録。