AQUARIUS
監督: ミケーレ・ソアヴィ
音楽: サイモン・ボスウェル
出演: デヴィッド・ブランドン、バーバラ・クピスティ、ロバート・グリゴロフ、マーティン・フィリップ、リチャード・バークレイ、ドン・フィオレ
1986年 イタリア映画

 

 

 

ミュージカルの練習中の劇団員が次々と惨殺されるマカロニ・ホラー。
オカルトものではなく、いわゆる殺人鬼による連続猟奇殺人モノです。
フクロウのお面が結構いい味を出していました。
駄作の多いイタリアン・ホラーの中にあって、これは今観ても結構怖いです。
ゴア・シーンがかなり残酷で、顔面に向かって斧を水平にスイングしてみたり、胴体真っ二つなんてのもあります(^_^;)
ラストも「おおっ、そういう表現の仕方もあるのか」と何故か感心してしまいました。
ダリオ・アルジェントの弟子として当時脚光を浴びていたミケーレ・ソアヴィが監督しています。
この人は、「デモンズ’95」(これ、意外に隠れた名作)以降、監督業から遠ざかっているようですが、なかなか才能のある監督だと思います。

 

 

 

 

音楽は、「ハードウェア」、「オペラ座・血の喝采」等のサイモン・ボスウェル。
ホラー映画の音楽を担当することが多い人ですが、テーマはちょっと時代を感じさせるディスコチックなポップ・チューン。
サックスがリードを取っているのでちょっと艶めかしい雰囲気があります。
ベース、ドラムが打ち込みなのでちょっと残念で、軽い印象を与えます。
劇伴は、タンジェリン・ドリームを思わせるシンセ・チューンあり、不安感をかき立てるアンダー・スコアありでバラエティに富んでいます。
ほとんどシンセだけで作った曲ですが、アルバムを室内で流しっぱなしにしていても違和感はなく、適度に聞きやすい仕上がりになっています。(ゴブリンを思わせるプログレな曲もあります。)
静寂の中に「ジャーン」という音が何度も顔を覗かせる、こけおどしっぽいイタリアン・ホラー特有の音も入っています。
ルチオ・フルチ監督作品などでも「ジャーン」がよく顔を出します。
イタリア人はこの「ジャーン」が好きですね(^_^;)
サントラ盤CDは海外で1200枚限定盤が発売されたのみで現在は入手困難ですが、これを原盤としてCD-Rに焼き付けた盤が海賊盤として出回っています。
しかし元の音源がサントラLPらしく、随所にスクラッチ・ノイズが入っているのが残念です。