THE DEVIL'S REJECTS
監督: ロブ・ゾンビ
音楽: タイラー・ベイツ
出演: シド・ヘイグ、ビル・モーズリイ、シェリ・ムーン・ゾンビ、ウィリアム・フォーサイス、ケン・フォリー、マシュー・マッグローリー、レスリー・イースターブルック、ジェフリー・ルイス
2006年 アメリカ映画

 

 

ラウド系ロック・ボーカリスト「ロブ・ゾンビ」が監督したホラーの第2弾。
前作はあまりの残酷描写でズタズタにカットされたあげくにやっと公開にこぎつけたというシロモノ。
でもホラーなのにオフビートなコミカルタッチ、斬新なカメラワーク等、
単なるホラーに終わらないロブ・ゾンビの才能を感じさせる作品でした。
で、今回の2作目はホラーというよりバイオレンス・ロード・ムービーに変身していました。
しかも70年代のアメリカン・ニュー・シネマへのオマージュたっぷり。
サザン・ロックをBGMに、スローモーションを織り交ぜた汗くさそうな映像は、
サム・ペキンパーを連想しちゃいました。
殺人一家が前作とうって変わって、保安官たちに追われる身になって逃避行を続けるというストーリー。
その途中でやっぱりいろんな人を惨殺していくのですが、
最後には殺人鬼たちになんとなく哀愁を感じてしまうあたりなんとも不思議な感覚がありました。
コアな映画ファンにはうれしい人たちも出てました。
ジェフリー・ルイス、「ゾンビ」のケン・フォリー、「サランドラ」のマイケル・ベリーマン等。
80年代中期に活躍したポルノ女優のジンジャー・リンまで出てました。
それから、殺人一家の娘を演じるのはロブ・ゾンビの嫁さんシェリ・ムーン。
ロブのバンドのバックダンサーとしても知られてました。

 

 

 

音楽は、タイラー・ベイツ。
全体的な雰囲気は彼が以前担当した「ドーン・オブ・ザ・デッド」に似てます。
かなり硬質で無機質な音響系のスコアが中心です。
一部テクノ風味な味付けのアクション・スコアがありますが、これも無機質な音です。
そんな中で壊れたメリーゴーランドのような曲が1曲入っているのが印象的でした。
サントラは2種類発売されていて、スコア盤の他に歌モノのコンピレーション盤があります。
実は本作は歌モノ盤の方が出来がすごくいいのです。
70年代サザン・ロックのテイスト満載のアルバムで、スコアよりこちらの方が映像を強烈に思い起こさせます。
レイナード・スキナード、スリー・ドッグ・ナイト、オールマン・ブラザーズ・バンド等々、美味しいとこが目白押しです。
特にラストのエンドロールで流れるテリー・リードの「SEED OF MEMORY」のカッコいいこと。
ハイウェイを走るように映像を映していたカメラがグ~ンと空に飛び立っていくシーンのバックにこの曲を使うなんて、ほんとニクイ演出でした。
テリー・リードといえば、レッド・ツェッペリンの初代ボーカリストとしてオファーされていながら
自らその座をロバート・プラントに譲った実力派シンガーですが、
本作を観て彼のオリジナルアルバムも聴いてみたくなりました。
なお、歌モノ企画盤にはダイアローグ入りの29曲バージョンがありますが、

 

 

セリフがたくさん挿入されているだけで曲自体は増えていないようなので、あまりお買い得感はないかと思います。

 

 

でも、本作のコンピレーション盤、絶対オススメです。

映画観てない人も、オヤジロックファンには必携のアルバムでしょう。

ロブ・ゾンビ、実はすごくセンスいいヤツかも(^o^)

 

てなことで、今年もこれが最後の更新になりました。

 

(ホラーで終わっちゃった(^_^;))

今年は後半、長期出張に突入し、なかなか思うように更新できませんでした。

それでも、いろんな方に立ち寄っていただきほんとにありがとうございました。

来年もよろしくお願いします。

 

それではみなさん、良いお年を♪