年末で帰省しようと夕べ羽田から米子空港行きの最終便に乗ったのですが、
米子空港が雪で着陸出来ず、羽田に引き返してしまい、
今、始発の新幹線を待ちながら、ネットカフェからアップしています。

 

LETTERS FROM IWO JIMA
監督: クリント・イーストウッド
音楽: カイル・イーストウッド
出演: 渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、松崎悠希、中村獅童、裕木奈江
2006年 アメリカ映画

 

イーストウッド監督による硫黄島2部作の第2弾。
今度は硫黄島での激戦を日本軍側から描いています。
前作でアメリカ軍側から描いた上陸作戦をそのまま日本側から裏返して描いているので、
前作を見てから本編を見たほうがより楽しめます。(楽しむという表現は適切ではないかも知れませんが・・・)
キャストはほとんど日本人。
ハリウッドの作品で、ここまで日本人を上手に描いた作品はなかなかないでしょう。
見ている途中で、日本映画を見ているような錯覚に陥りました。
でも、カメラワークはやっぱりハリウッドのそれなので、なんともいえない不思議な感覚を味わいました。
戦闘シーンもさすがに迫力十分で、前作以上のできばえです。
しかし、残念なのは、5日で占領されるはずの島を日本軍が36日間も粘った過程が描ききれていないのです。
洞窟でちょっと粘ったけどダメだと思ってみんなで自決したり、最後の突撃までのエピソードが簡単に描きすぎていて、1ヶ月も粘ったという感じがうまく伝わってこないのが残念です。

 

 

 

音楽は、息子カイル・イーストウッド。
さすが現役のジャズ・ミュージシャンだけあって、親父よりもメロディがしっかりしています。
でも、基本的には前作の雰囲気を踏襲した作風で、ここでもピアノの単音を生かしたシンプルなメロディが基本になっています。
近年、戦争映画の音楽って、すっかりこういう感じになってしまいましたね。
「プライベート・ライアン」あたりから、もうこの傾向は定着してしまったようです。
70年代の勧善懲悪型アクション戦争映画に親しんだ世代としては、ちょっと残念な気がします。
もう、血沸き肉踊る戦争映画音楽って作られないのでしょうか。
クエンティン・タランティーノ監督が「地獄のバスターズ」だったか「特攻大作戦」だったかのリメイクを企画していると聞いたことがありますが、これくらいでしょうか、期待できるのは。
でも、ヒューマン・ドラマとしてのサントラとしては本作は優れた作品であると思います。
でも、ちょっと地味なんだよなあ。