FLAGS OF OUR FATHERS
監督: クリント・イーストウッド
音楽: クリント・イーストウッド
出演: ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、ジェイミー・ベル、バリー・ペッパー、ポール・ウォーカー
2006年 アメリカ映画

 

 

 

 

イーストウッドの最新監督作品。
しかも戦争映画。こんな映画が製作されていたなんて全くのノーマークでした。
東京国際映画祭が始まるまで、全くこの映画の存在を知りませんでした。
で、あわてて公開2日目に見に行っちゃいました。
東京にいるとこういうメリットがあるからいいんですよね~。
太平洋戦争の激戦地として知られる硫黄島での戦いを日米双方の視点から描いた2部作の第1弾。
硫黄島に星条旗を立てる6名の兵士を写した有名な写真の裏に隠された、帰還した3名の苦悩等を描いています。
結局、兵士は使い捨てだという痛切なメッセージが込められています。
「プライベート・ライアン」を凌ぐ戦闘シーンは、基本的に兵士の頭の中のフラッシュバックという形で出てきます。
だから突然戦闘シーンに変わったりして、訳が分からなくなりそうになりますが、
「クラッシュ」で群像劇を演出したポール・ハギスの脚本がしっかりしているので、紙一重のところで統一感を持たせています。
でも旧来の戦争映画ファンとしては、時系列を無視して本編のあちこちに埋め込まれた戦闘シーンの断片にはちょっと閉口してしまいました。
せっかくの迫力ある映像なのでもっとまとまった形で見せて欲しかった。
CGも多用しているハズですが、上陸シーンでの戦闘は凄まじかった。
続編にあたる日本側から描いた「硫黄島からの手紙」も期待してます。
12/9公開だそうです。これも楽しみです(^_^;)

 

 

 

 

音楽はこのところ自分で作曲することに味を占めてしまったような感のあるイーストウッド御本人。
う~ん、今回もよく言えば哀愁のメロディ、悪く言えば単純でクサイ赤面系のメロディ。
イーストウッドはミュージシャンの経験もあるはずなので、それなりの曲を作れると思うのですが、
どうも映画音楽となると「許されざる者」系のちょっといたたまれなくなるような曲を作ってしまうようです。
この手のメロは聴いていて気恥ずかしくなるのは、僕だけでしょうか。
まあ結局は好みの問題だと思いますが、僕は大好きなイーストウッドの唯一苦手な部分です。
シンプルなメロが基本で、これが劇伴にも反映されています。
スネアの入った戦争映画っぽいアクション・スコアは2曲のみ。
編曲とオーケストレーションにイースウッド作品の常連レニー・ニーハウスが協力しています。
他に当時のスタンダードやスーザのマーチ、息子カイル・イーストウッドらの演奏によるジャズ・ナンバーが入っています。