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THE BOYS FROM BRAZIL
監督: フランクリン・J・シャフナー 
音楽: ジェリー・ゴールドスミス 
出演: グレゴリー・ペック、ローレンス・オリヴィエ、ジェームズ・メイソン、リリー・パルマー、ユタ・ヘーゲン、スティーヴ・グッテンバーグ、ジョン・ルビンスタイン 
1978年 アメリカ映画

「ローズマリーの赤ちゃん」のアイラ・レヴィン原作の70年代サスペンス・スリラーの傑作。
フランクリン・J・­シャフナー監督がまだ現役だったころの作品です。

スティーヴ・グッテンバーグが脇役で出ていたので、「ポリアカ」つながりで紹介してみます(^o^)
ナチス・ドイツで「死の天使」との異名をもつメンゲレ博士が、ネオ・ナチの連中とナチス復興のための驚くべき計画を実現しようとするというストーリー。
緊迫感溢れる良く出来たサスペンスで、78年当時これが劇場未公開に終わったことが信じられません。
珍しくグレゴリー・ペックが悪役を演じています。
77年の「マッカーサー」を演じた時もそっくりでしたが、今回のメンゲレ博士はまるでヒトラーみたいです。
ナチスの残党狩りを演じたローレンス・オリビエも、晩年の最後の力を振り絞って出演したという意気込みが感じられました。



音楽は、シャフナー作品には無くてはならないジェリー・ゴールドスミス。
サントラは15分前後の組曲が2曲、その他に主題歌とエンド・タイトルの計4曲という変則ぶり。
当時のサントラとしてはかなり大胆な時間構成ではなかったかと思います。
長い組曲ですが、さすが巨匠、一気に聴かせてくれます。
さすがに師が一番油の乗っていた70年代の作品なので、
特にサスペンス描写の音楽は緊迫感たっぷりで聴き堪え十分です。
楽曲全体のモチーフになっているのが、なんと「ワルツ」。
ワルツというのはドイツのイメージなのでしょうか。
テーマ曲もサスペンスフルなワルツといった趣の曲で、ちょっとミスマッチなようで上手くブレンドしているところが巨匠らしいです。
本作は78年のアカデミー作曲賞にノミネートされています。
なお、オフィシャルでCDが発売されたのは日本だけのようです。
過去にMaster Film Musicシリーズというカナダ盤の限定盤が発売されたことがありますが、これはすぐに廃盤になりました。
日本盤もポニー・キャニオンからまさかのオフィシャルリリースでしたが、売れなかったのか、これまたあっという間に廃盤となりました。
でも、たまにブックオフ等で200円くらいでたたき売りされているので、まだ持っていない方は見つけたら即買いですよ。
ちなみに某オークションサイトでは、約1万円で取引されていたことがあります。