HOOK
監督: スティーヴン・スピルバーグ 
音楽: ジョン・ウィリアムズ 
出演: ロビン・ウィリアムズ,ダスティン・ホフマン,ジュリア・ロバーツ,ボブ・ホスキンス,マギー・スミス,キャロライン・グッドオール,チャーリー・コースモー,フィル・コリンズ,デヴィッド・クロスビー,グレン・クローズ, グウィネス・パルトロー
1991年 アメリカ映画

 

 

スピルバーグが描く40歳のおっさんになったピーターパンの後日談的な作品。
童心を忘れないピーターパンが,サラリーマンのおっさんになり果てているという設定が面白い。
配役も独創的で,ピーターパン,フック船長ともに意外だけど斬新なキャスティングで○。
ただ,ジュリア・ロバーツのティンカーベルだけは完全なミスキャスト。
全然イメージが違う役柄に本人のハイテンションな演技も空回り気味だったように思います。
娯楽大作としてはまずますの出来映えで,さすがスピルバーグだけあってソツがない仕上がりでした。
でも,それ以上のものがあるかと言えば・・・・,ちょっと疑問です。
子供から大人まで楽しめるファミリー映画としては素晴らしい作品であることには変わりないでしょう。

 

 

 

音楽はもはやスピルバーグ作品にはなくてはならない存在のジョン・ウィリアムズ。
この人にファンタジー作品を書かせたら,右に出る者はいないと思われます。
本作も明確なテーマメロディを持ったいい音を聞かせます。
特にピーターパンが空を飛ぶシーンのスコア。
この人は昔から空を飛ぶというイメージを音で表現させたら素晴らしいものがあります。
特に「スーパーマン」などはその最たるもので,本作でもその流れを汲んだ独特の浮遊感を演出しています。
劇伴では,3曲目が意外な作風で驚かされます。
最初,デイヴ・グルーシンの曲かと思ってしまいました。
とても聴きやすいライトなフュージョンで,まさかウィリアムズの作品とは思いませんでした。
デイヴ・グルーシンの「トッツィー」のスコアに似ていたので,ホフマンに引っかけてジョークで作ったのでしょうか(^^;)
本作も最近のサントラの流れで,エンド・タイトル曲が収録されていません。
劇伴のハイライトになるエンド・タイトルが入っていないというのは一体どういうことでしょう。
エンド・タイトルをご所望の方は,2枚組のブートレッグが出ているそうなのでそちらで聴くしかないようです。
なお,本作の主題歌が1991年アカデミー主題歌賞にノミネートされています。
ジョン・ウィリアムズ作曲で,歌詞がレスリー・ブリッカス。
なかなか贅沢な組み合わせの歌でした。