MONSTER
監督: パティ・ジェンキンス
音楽: BT
出演: シャーリーズ・セロン、クリスティナ・リッチ、ブルース・ダーン、スコット・ウィルソン、プルイット・テイラー・ヴィンス
2003年 アメリカ映画

 

 

実在の連続殺人犯として全米を震撼させたアイリーン・ウォーノスの実像に迫る、実話の映画化。
アメリカの犯罪史上初となる女性による連続殺人を描いています。

 

主演のシャーリーズ・セロンが体重を13キロも増やして、迫真の演技を見せます。
見た目がジョン・ヴォイドみたいになったセロンを観るのはかなり痛々しいですが、彼女の熱演に心を打たれます。

彼女の演技は2003年のアカデミー主演女優賞を獲得しています。
これに対して、素で対抗するクリスティーナ・リッチの演技も素晴らしかった。

かなりヘヴィで救いようのない内容ですが、観る者をグイグイ引き込む力を持った作品です。

製作にマーク・ダモンが携わっていますが、この人はかつてマカロニ・ウェスタン後期の傑作「皆殺し無頼」に主演していた人です。

また、共演のブルース・ダーンはSFの傑作「サイレント・ランニング」に主演していました。

 

音楽は、近年サントラの仕事が増えたBTこと、ブライアン・トランソー。
もともとエピック・トランスの雄として、イギリスでクリエイターとして活動していました。

オリジナル・アルバムもかなり出ています。
その後、アメリカ映画の「60セカンズ」や「ブレイド」等で音楽が使用され、注目を集めました。

さらに、「ドリヴン」や本作で本格的にスコアを担当し、最新作では「スティルス」でスコアを担当しています。

もともとテクノ・アーティストなので、本作では、アンビエント風な緩やかなサウンドが基本となっています。

これに、民族楽器風な音やディストーション・ギター等を使い多彩な表情を見せ、映画音楽作曲家として十分通用する作品に仕上げています。

全編を通してゆったりとした流れるようなトランス系サウンドで、かなり聞きやすい「サウンド・デザイン」的な作品です。

80年代ニュー・ウェイヴやブライアン・イーノ、ウィリアム・オービット等を通ってきた人にはとても馴染める音だと思います。

本サントラは変則的な内容になっていて、メインのDisc1は音楽DVDで、その内容の抜粋としてDisc2のCDが付属しています。

DVDの方はDTS、5.1サラウンド仕様となっています。

本編に使用されたトラックと映像からインスパイアされたトラックで構成されています。