FRIGHT OF THE PHOENIX
監督: ジョン・ムーア
音楽: マルコ・ベルトラミ
出演: デニス・クエイド、タイリース・ギブソン、ジョヴァンニ・リビシ、ミランダ・オットー、トニー・カラン
2005年 アメリカ映画

 

 

ロバート・アルドリッチ監督の名作「飛べフェニックス」のリメイク。
オリジナルにほぼ忠実にリメイクしていて、アレンジしてあった「クライシス・オブ・アメリカ」とは対照的です。

 

砂漠に不時着した輸送機の乗組員が、輸送機の残骸から新しい機体を作り直して脱出を図るというサバイバル・ストーリー。

「エネミー・ライン」のジョン・ムーア監督の演出は、オールド・ファンにはちょっととっつきにくいかも知れませんが、ほぼオリジナルに近い設定のリメイクとしては及第点の作品だと思います。

オリジナルが男臭い映画だったのに比べ、リメイクでは紅一点ミランダ・オットーが出ています。
「ロード・オブ・ザ・リング」の演技が素晴らしかったので、好感の持てる女優さんなのですが、
本作への登板は疑問です。男だけでよかったんじゃないかなあ。

なお、製作にロバート・アルドリッチ監督の息子ウィリアム・アルドリッチが参加しており、
親父の作品への思い入れが忠実なリメイクに結びついたのではないかと思ったりします。

 

 

音楽はマルコ・ベルトラミ。
「スクリーム」や「ブレイド2」等、SFやホラーの音楽が多い人で、最近は大作のオファーが多くなったようで今回もアクション大作を担当しています。

 

 

ただ、本作では印象的なテーマ・メロディが無いのが残念。
どちらかと言えばアンダー・スコアに徹しています。

砂漠が舞台ということで、中東風のフレーズやジェリー・ゴールドスミスの「猿惑」風なパーカッシブな音が出てきますが、あまり統一感があるとは言えません。

ただ、オープニングの数曲で聴かれる「猿惑」風の音作りは、最近のアクション・スコアの中ではちょっと意外で新鮮な感じがありました。

サントラとして決して悪くはないのですが、マルコ・ベルトラミはやっぱり、サスペンス・スコアの方が似合っているのかもしれません。