監督: フランク・ダラボン 
音楽: マーク・アイシャム 
出演: ジム・キャリー、マーティン・ランドー、ローリー・ホールデン、アレン・ガーフィールド、アマンダ・デトマー、ボブ・バラバン、ブレント・ブリスコー
2001年 アメリカ映画

 

 

「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボン監督によるヒューマン・ドラマ。
本作はスティーヴン・キング原作ではないようです。

 

前作「グリーン・マイル」、前々作「ショーシャンク・・」に比べると見劣りがしますが、それでも感動のツボを知っている監督さんで、

ラストは何となく予想していても最後には心打たれてしまいます。

コメディアンで出発したジム・キャリーが迫真の演技を見せます。
「マスク」や「バットマン・フォーエヴァー」でのやかましいトゥー・マッチな演技が苦手だったのですが、彼を見直してしまいました。

「赤狩り」のターゲットにされた新進脚本家が事故で記憶喪失になり、見知らぬ町で助けられ、
ちょうど出征で行方不明となっていたその町の英雄と間違われ大歓迎されて・・・、というお話。

英雄の生還に湧き、廃れていた映画館を再建して町に活気を取り戻そうとするくだりは、
映画ファンにはグッとくるシーンになってました。

なお、劇中、映画館で上映される白黒作品は本作のために撮影されたもので、
なんと「死霊のはらわた」のブルース・キャンベルが出ているという嬉しいオマケもついてました。

 

 

音楽はマーク・アイシャムが担当していますが、ジャズ・ピアノが全編にフィーチャーされていました。

 

 

ストーリーの中で重要な役割を果たすのが、ジム・コックスが演奏するジャズ・ピアノ。
彼のソロ名義の曲が3曲と、サックス奏者ゴードン・グッドウィン率いるスペンサー・ワイアット・ビッグ・バンドの演奏をバックに弾きまくる曲が4曲入っています。
この7曲が映像にかなりマッチしていて、とても印象に残ります。

これらの曲は意外にもマーク・アイシャムが書いたものではありません。

アイシャムのスコアはアルバム後半の3曲だけとなっています。

全編に流れるジャズムードとは対局をなす、ストリングス中心のリリカルなスコアを書いています。
アイシャムも元々はジャズ畑の人なので、この使い分けにはちょっとビックリしました。

しかし他のジャズ・スコアに負けないとても優しい感動的なメロディを持っています。
3曲しか入っていませんが、1曲あたり7分前後もあり、物足りない感じはしません。

この他にナット・キング・コールやチェット・ベイカーの既成曲が入っています。

なお、本作は珍しく日本盤の方がジャケが素敵です。