監督:スティーヴン・スピルバーグ
音楽:ジョン・ウィリアムス
主演:ロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、ロバート・ショー、マーレイ・ハミルトン
1975年 アメリカ映画

 

 

言わずと知れたスピルバーグの70年代パニック映画の大ヒット作。
当時まだ20代だったスピルバーグが、「激突」、「続・激突」に続いて放った大傑作。
だんだんと追いつめられる恐怖を描く点では、「激突」の流れを汲む作品です。

 

やっぱりスピルバーグはこの作品が頂点なのかも知れないなあと思います。
とても20代の駆け出し映像作家が作った作品とは思えません。

映画の完成度、特に周到に計算されたショックシーンの描写など、今観ても斬新です。
後に多くの亜流作品を作り出し海洋生物に人間が襲われるというアイデアだけでも
「ピラニア」、「バラクーダー(未公開)」、「テンタクルズ」等の作品に影響を与えました(笑)。

本家「JAWS」自体、4作目まで製作されました。
(当然、シリーズものの宿命で段々シケていきました。)

ロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、ロバート・ショーというトライアングルによる掛け合いが素晴らしく、
警察署長、海洋学者、漁師による鮫退治は見応え十分でした。

特にロバート・ショー演ずる漁師が印象深く、鑑賞中に「バルジ大作戦」のへスラー大佐と同一人物だと分かり、子供心にショックを受けました(笑)

10年の歳月は、あの精悍な顔つきのドイツ軍戦車隊指揮官を腹ボテのむさ苦しいオヤジに変えてしまっていたのです。

しかし、「JAWS」でのショーの演技は素晴らしく、小学生にして彼のファンになりました。
でも、ファンになった途端に心臓発作で亡くなっちゃったんですよね。
享年51歳。「アバランチ・エクスプレス」が遺作となりました。

 

 

ちょっと脱線してしまいましたが、音楽はスピルバーグ作品にはなくてはならないジョン・ウィリアムス。
このテーマ曲を知らない人はいないでしょう。
段々と迫りくる恐怖を、ここまで的確に音楽で表現したジョン・ウィリアムスはやはり天才です。

 

 

ジョン・ウィリアムスは本作と2作目の音楽を担当していますが、「JAWS 2」のほうもなかなか聴き応えのあるサントラです。

なお、3作目はアラン・パーカー、4作目はマイケル・スモールがそれぞれ音楽を担当していますが、

音楽的には、本編同様、一気にクオリティが下降します。

 

 

一応サントラが出ていましたが、いずれも特筆すべきものはありません。

公開当時に発売された本家「JAWS」のサントラは、実はいわゆる再録音盤でした。

あの有名なメイン・タイトルは、映画で使用されたものを再編集して聞きやすく演奏し直したものでした。
ですから、後半部分の盛り上がりなどは音楽として単体で聴けるように計算されています。

 

 

 

その後、2000年に収録曲が倍になった20曲入り完全盤が発売されています。

こちらの方は、本編で使用された正真正銘のサウンド・トラックでデジタル・リマスターも施され、
文句なしの音質になっており、迫力十分です。

これまでの再録音盤に親しんできた人は、一聴すると少し違和感を覚えるかも知れませんが、
3人がサメと対決するシーンに流れる音楽がかなり追加されており、
オリジナルの迫力を堪能することが出来ますので、完全盤はオススメです。