森陶岳とブルドーザー
森陶岳先生の寒風の窯場にはブルドーザーが在ります。
フォークリフトも大型トラックも大型巻き割り機械も在ります。
大窯の築窯や手直しに陶岳先生と一門の皆さんがそれらを使って、日中動き回っています。陶岳先生は作品の制作は午前4時から行います。
森陶岳先生は「昔の陶工は人の力だけという制約の中で仕事をしていたのが、今は機械と電気の動力のおかげで人の可能性が拡がりました。ありがたい世の中になりました。」と述懐しています。
河井寛次郎先生は「機械は新しい手だ」と云う言葉を残しています。
森陶岳先生は古くから行われてきた焼物の成り立ちにはこだわり、そして文明の利器は進んで取り入れています。
森陶岳先生は古きを温めて(あたためて)、必要とあれば新らしきを躊躇なく導入しています。
森陶岳先生の理想への飽くなき挑戦に対する姿勢とその陶芸は、2005年に文化庁長官表彰を2006年に紫綬褒章を授与されています。