神の選びに影響を及ぼしたタマルの信仰 | バルタンセブンのブログ ものみの塔 JW.org という霊的地所から

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聖書を研究し、預言の言葉を最新のものにするための場です。大患難までに油を蓄えておきましょう。マタイ 25:4

今日は、系図の中から前後しましたが、マタイ 1:3 のタマルに注目してみたいと思います。


そもそも創世記38章にあるこの異常な出来事の始まりは、ユダが自分たちの親族からではなく


安易に、また手っ取り早くカナン人の女を妻としてめとったところから始まっています。 それはしては


いけないことでした(創世記28:1)。 とはいえ、その頃はまだふさわしい結婚相手が極めて少なか


ったことでしょう。 というよりは身近には皆無だったのかもしれません。 実際ヤコブの子らで記され


ている女性は妹のディナだけでした。 ユダの父ヤコブもその父イサクも自分の結婚に関して、できる


だけ真の崇拝者の親族から得ようと努力したのです。 ユダはこの点でまったくの怠惰でした。


結局、このカナン人の女から三人の息子が生まれてきました。 そんな事情の中でこのタマルが登


場してくるわけですが、彼女が一体どこからの者であるかは聖書に全く記されていないところが不思


議です。 まるでメルキゼデクのようにして現れます。 しかし実際は地元の人物であり、つまりカナン


人でありながら(創世記38:11~13) その事実が聖書から省かれているところを見ると(マタイ 


1:8 と歴代第一3:11,12 を比較してください)、おそらく彼女はこの目的のために女預言者のよ


うなものとして神によって起されていたのでしょう。 エホバはカナン人の中からでさえご自分の僕を


起こすことがおできになるからです(ルカ3:8)。 


実際彼女のとった行動すべては神の知恵によるものでした。 辛抱強く自分の時を待つ態度、計算し


尽された絶妙な言葉、その言葉が自分の思い通りに運んでゆく見事なまでの導き、彼女がどれほど


神にしつこく祈り求め続ける人だったのか、全き信仰と神の介入なしではありえないストーリーです。


あとは、創世記38章にある通りに出来事が進んでゆくわけですが、


結局のところユダは遠回りしてこのタマルから自分の子孫を得ることになったのであり、ひいてはこれ


によってユダの王統に関する選びの預言が始動を始めたわけですから(創世記49:10)、タマルは


神によって予め備えられていたといっても過言ではありません。 もしユダが性急にカナン人から妻を


得ようとせず、辛抱強くこの問題を神に委ねていれば、初めからこのタマルが妻になっていたことでし


ょう。 とはいえ、20年近くは待つ必要があったかもしれません。 


当時まだユダ族の王統に関する預言がなかった時に、一人の勇敢なカナン人女性の信仰によってそ


の基盤がすえられたという事実は、今日の私たちに何を教えているでしょうか? 誰であれそれと同


じ信仰、勇気を持つ者を今日でも同様に用いて、神はご自分の関心事を推進することがおできになる


ということです。 また現在の立場や外見は全くあてにならないともいえるでしょう。 


彼女の取ったこの派手な信仰の業とその後の生き方は、彼女と交わったのが一度きりとはいえ(創


世記38:26)、後のユダの生き方に生涯にわたって強い影響を及ぼしたことでしょう。 実際に彼は


この後自分の弱点を克服するに至ったのです。 彼はもともと良い面を持っていましたが(創世記


37:26,27)、年若いころははっきり形に表せませんでした。 しかしヨセフがエジプトで総理大臣に


なり、それとは知らずにこのヤコブの一族が人生最大の危機に直面した際、ユダは率先してこの支


配者に自分たちの事情を勇気をもって語り、もしもの時は自分の命さえ差し出すこともいとわないとい


えるほどに成長していたのです(創世記44:18~34)。 当時彼の周りにいた全き信仰の人、それ


は紛れもなくタマルだったのです。