<フィッシュストーリー(日・2009)>   ★★



こんな映画見ました-ZIGSAW


 6歳になる下の孫がこの数日、1000ピースもある「ポケモン図鑑」というジグソーパズルに挑戦していますが、今日の夕方も私に応援を求めて来ました。私もつい熱中しているうちにふと時計を見たら5時を過ぎていました。今日は6時45分から九段会館で<フィッシュストーリー>の試写会があったので、慌てて出来たての夕食をかき込んで出かけました。と言っても、霙降る中をどうしても見たいという映画でもありませんでしたが、知人に試写状を預けてあったので行く”決意”をしました。試写状にはこう書いてありました。

> 2012年 彗星衝突まで、あと5時間!
 1975年の発売当時だれにも聞かれなかった曲が、
 めぐりめぐって、地球滅亡の危機を救う!!
>1975年
早過ぎたパンクバンド「逆鱗」は世間に理解されないまま
解散へ向かおうとしていた。彼らは最後のレコーディング
で”FISHSTORY”という曲を演奏する・・・・・・。
>1982年
 気の弱い大学生は”FISHSTORY”の間奏部分に
 女性の悲鳴が聞こえるという噂を聞く。さらに彼は出会っ
 た女性に「いつか世界を救う」と予言される・・・・・。
> 2009年
 修学旅行中に眠り込んでフェリーに取り残された女子高校
 生は「正義の味方になりたかった」コックと出会う。その
 直後、二人はシージャックに巻き込まれる・・・・。
> 2012年
 街が静まり返るなか、営業中のレコード屋の店長は「地球
 が滅亡する日でも好きなレコードを聴いていたい」と言い、
 「FISHSTORY」にただ耳を傾けている・・・・。


 この4つの時代が頻繁に絡み合って出て来ます。物語自体はそう難しくないのですが、各エピソードをジグソーパズルのように組み立てて繋がりを持たせるにしては少々無理が目立ちました。地球が滅亡するというのに混乱も騒動も全く見られず、東京には3人しか残っていないと理屈をつける作品ではありませんが、予算の都合かかなり周囲の描写は手抜きしているようでした。


 セリフにも出て来ますが、フィッシュストーリーとは釣り師が「こんな大きな魚を釣ったのに逃げられた」というようなホラ話のことですが、宣伝チラシにも原作者(伊坂幸太郎)が「もともとの小説を書いた僕が言うのも何だけれど、これは馬鹿馬鹿しくて荒唐無稽で、御伽噺のような話だ」と書いていましたが、SFでもない、ホラーでもない、ファンタジーでもない、掴みどころのない映画だと言うのが石頭の私の感想でした。