<チャールズ・チャップリン~放浪紳士の誕生

           -(La Naiisance de Chariot・仏・2013)

 

 

4月16日はチャールズ・チャップリンの誕生日だそうで、それに因んでCATVで放映されて録画しておいたフランス製のドキュメンタリーで、彼が如何にしてイギリスのドサ回りの劇団員から持って生まれた天性の才能をもとに一座の人気俳優となり、更にそれが当時創成期にあったハリウッドの目に留まり、渡米し、ちょび髭に山高帽、大きな靴とステッキという彼のトレード・マーク“放浪紳士(Tramp)”のスタイルを創造するまで至ったかを、彼の研究者へのインタビューとデジタル化された彼の初期の出演作品内のシーンやその撮影風景をはじめ、彼をモデルにしたアニメや女チャップリンという模倣作品など、当時の貴重な映像を編集して90分ほどにまとめています。よくこれだけの資料が残っていたと感心しました。

 

>幼少時代のチャップリンはアル中の父と精神不安定の母のため、いくつかの孤児院を渡り歩いてから、、印刷工や売り子などをしながら俳優斡旋所にも通い、当時、人気のあったカーノー劇団に見出され、そのアメリカ巡業の際で、映画プロデューサーのマック・セネットの目に留まり、キーストン社に入社します。1914年に映画デビューを果たしますが、セネットに“面白い格好をしろ”と要求されて、即興で楽屋にあった小道具でその後のスタイルの原型”Tramp”に扮装し、独特な歩き方で2作目の<ヴェニスの子供自動車競走>に出演して大ヒットとなります。以後、同じパターンで多数の作品に出演してキーストン社のトップスターとなります。しかし、元来、映画の出演よりも製作に興味を抱いていた彼は、1916年、アメリカ大統領の年俸の7倍という破格の契約金でミューチュアル社dに迎えられ、製作の自由を認められ、自らの撮影所で監督・脚本、主演という一人三役を務めるようになります。

 

この映画はタイトル通り、Trampの誕生と確立までを描いて終わり、以後の活動には一切触れていませんが、今は死後となった“ルンペン=ホームレス”でありながら、“紳士”としての威厳を保ち、優雅な物腰の中で警官に象徴される権力への反骨精神と上流ブルジョワ階級への揶揄という生涯の思想と、滑稽味の中にも哀愁を湛えて単なるドタバタ喜劇としないチャップリン映画の特長が彼の生い立ちの中で生成されたことを随所の作品の抜粋を交えながら示していて興味深く見られました。よく保管されていたと思われる古い作品が見られたのは幸運でしたが、欲を言えば、彼自身の生前の回想やメッセージも挿入されていれば尚更感動出来たと思います。

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