<少年メリケンサック(日・2009)>   ★★★★


こんな映画見ました-メリケンザック


 宮藤官九郎監督第2作という<少年メリケンサック>の試写会に行きました。第1作<真夜中の弥次さん喜多さん>や脚本を書いた<舞妓Haaaan!!>は大いに失望したので、今回は見送ろうかと思っていましたが、たまたま外出の用があったので見て来ましたが、結論から言えば思わぬ掘り出し物で楽しめました。主演の宮崎あおいは以前,NHKの朝ドラ<純情きらり>が放映され、家族が朝の時計代わりにかかさず見ていたので付き合って何となく見ていましたが、昨年の<篤姫>は1度も見ませんでした。別に彼女が嫌いなのではなく、1年を通してやる大河ドラマというのはどうせ見られないときがあるし、義務みたいで嫌だから最初から見ないことにしているだけです。


> 偶然見つけた<少年メリケンサック>のライブ映像。

> そこには凶悪な絶叫パフォーマンスのイケメンが!!

> しかし、契約交渉の場には、なぜか酔い潰れた50歳過ぎのオッサンが!!

> 「これ誰っ?!」 映像はなんと25年前の物だったのだ・・・・

> しかし、<少年メリケンサック>の人気はネット上で大爆発!!

> 全国のライブツアーが次々と決まっていく・・・・

> 果たして、かんなと<少年メリケンサック>の命運は????

> 全国ライブツアーは成功するのか???  (宣伝ちらし)


宮崎あおいも多分<篤姫>の重圧を忘れてハッスルしたようで、精一杯、コメディエンヌぶりを発揮していましたが、ベテラン脇役陣に少々煽られたような感じでした。佐藤浩市が冒頭に髭ぼうぼうのくしゃくしゃ頭で登場したときは、一瞬、三国連太郎が”友情出演”したのかと思ったくらい似ていました。そのあとも日ごろの重厚さを刎ね飛ばして、酒浸りで暴れん坊のおっさんミュージシャンのアキオを軽妙に演じ、その弟が木村祐一、終始ニコリともせずに対照の妙味を見せていました。よいよいのヴォーカルを演じた田口トモロヲは熱演というよりは怪演でした。もう1人、モヒカン刈りのドラマーは三宅弘城でした。リーダー格のアキオが拳にはめている鉄製の凶器が”メリケンサック”で、バンド名(タイトル名)にもなっていますが、それで相手を殴り倒すのですから危険この上ありません。


私はこういうパンク・ロックには全く無縁で青年期を過ごしましたが、全く嫌いなわけではなく、見て聴いていれば結構楽しめますし、好きなことを勝手にやった青春をむしろ羨ましくも感じました。物語的にはなんの交渉や下準備もなしに地方のスタジオへ行ってライブを開き、入場券の販売やギャラはどうなっているのか全く説明がなく、かなりいい加減な運びですが、そんな理屈を言う作品でなく、ドタバタの雰囲気を楽しめればそれで良しとする映画だと思います。