次世代のセカチュー。映画「君の膵臓をたべたい」、他 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

君の膵臓をたべたい


▼今週発売の新作ダイジェスト


本日発売■Blu-ray:「君の名は。コレクターズ・エディション
4K Ultra HD Blu-ray同梱5枚組 
Amazon限定特典付き
Amazon限定特典無し」
本日発売■Blu-ray:「君の名は。スペシャル・エディション3枚組
Amazon限定特典付き
Amazon限定特典無し」
本日発売■Blu-ray:「君の名は。スタンダード・エディション
Amazon限定特典無し
Amazon限定特典付き」
本日発売■Blu-ray:「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 2」
本日発売■Blu-ray:「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 2 ドラマCD付」


07月29日発売■PS4:「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
07月29日発売■PS4:「PlayStation 4 ドラゴンクエスト ロト エディション
Amazon.co.jpオリジナルダンボー組立キット付き」

07月29日発売■3DS:「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
07月29日発売■2DS:「Newニンテンドー2DS LL ドラゴンクエスト はぐれメタルエディション
Amazon.co.jpオリジナルダンボー組立キット付き」




▼Blu-ray「美女と野獣」10月4日発売


10月04日発売■Blu-ray:「美女と野獣 MovieNEX」
10月04日発売■Blu-ray:「美女と野獣 MovieNEX プラス3D」

「リトル・マーメイド」から始まったディズニーの第二黄金期の中で
私がもっとも愛したアニメ「美女と野獣」の実写版がBlu-ray化。
主演は「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン。
共演はダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス、ケヴィン・クライン、
イアン・マッケラン、エマ・トンプソン。
監督は「ドリームガールズ」のビル・コンドン。

ミュージカルならお手の物のビル・コンドンのセンスが随所に光り、
目に飛び込んでくる全てのシーン、衣装、森や城といった背景までがハイクラス。
パフォーマンスに関しても指示が行き渡り、
勢い重視、歌も踊りもカメラも全部雑という歌唱シーンは無い。
改めて、名曲の洪水のような作品だったと今さらながらに思い知らされる。

ただ、ガストンを演じたルーク・エヴァンスは文句なしのハマり役だが
主演のベルを演じたエマ・ワトソンが
「とびきりの美人だが、ちょっと変わった子」ではなく
単なる「気だての良い村の娘」でしかないのは残念。
村人から奇異の目で見られるような要素を持たないベルでは
見た目と裏腹に知的で心優しい野獣に心惹かれてゆく説得力が薄くなってしまう。
もっと目の覚めるような美人で、ちょっと常人には理解できないような
魅力を出せる女優は居なかったのだろうか。
エマでもいいが、エマがベストではないと私は感じた。
王道の強さ、ディズニーの凄さをまざまざと見せつける力作。


10月04日発売■Blu-ray:「美女と野獣 MovieNEX コレクション スペシャルBOX」
10月04日発売■Blu-ray:「美女と野獣 MovieNEX コレクション(実写版 & アニメ版)」



▼次世代のセカチュー。映画「君の膵臓をたべたい」


07月28日公開■:「君の膵臓をたべたい」

2016年度の本屋大賞で2位にランクインした
住野よる「君の膵臓をたべたい」が早くも実写映画化。
膵臓の病気により余命宣告をされたひとりの女子高生と、
クラスでも浮いた存在の寡黙な男子高校生との交流を描く恋愛ドラマ。

誰からも好かれる社交的な女子高生・桜良には浜辺美波。
まだそれほど出演作は多くないが、
実写版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」でめんま役を演じていた。
また、現在放送中のCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便」では
成長したキキの声を担当している。
決定打になるような作品はまだ無いが、本作での瑞々しさは
同性からも支持を受けそうな爽やかさ。

内向的で心を閉ざす『僕』には、DISH//のメンバーである北村匠海。
スターダスト所属のため出演作は既に多数あり、
「重力ピエロ」では岡田将生の幼少期を、
「陽だまりの彼女」では松本潤の中学時代を演じるなど
スターダストの誇る次世代の主役として話題作に顔を出してきた。
DISH//としては、現在放送中の
窪田正孝主演ドラマ「僕たちがやりました」で主題歌を担当している。
今秋から来年にかけて出演作が大量に待機中で、
まさにブレイク寸前の若手俳優である。

試写会で鑑賞済み。
「X-MEN」も真っ青なほどの特殊能力を駆使し、
過去も未来も星座も超える(@原田知世)キャラクターが
続々と登場するティーン向け恋愛映画に比べ、何と地に足のついた作りだろうか。
ドラマを展開させる枠組み部分にばかり凝るのではなく、
そこで生きる人物を綿密に描くあたりさすがは本屋大賞原作である。

大まかにまとめてしまえば「よくある難病モノ」なのだが
開放的なヒロインの抱える誰にも言えない悩みも、
内向的な青年の抱える誰かと関わりたい欲求も、どちらもリアルで説得力がある。
浜辺美波も北村匠海も、全編ほぼ二人芝居で進行するにも関わらず
ぐいぐいとストーリーを引っ張ってゆく。
その鮮烈な魅力は大ヒット作「世界の中心で、愛をさけぶ」の
長澤まさみと森山未來を彷彿するほどだ。
「セカチュー」も当時はまだ無名だった二人をサポートするメジャー俳優として
大沢たかおと柴咲コウが主演に据えられていたが、
今では出演していたことすら忘れている方が大半だろう。
それと同じことが、本作の北川景子と小栗旬もいずれ起こるような気がする。

「セカチュー」の大ヒット以降、
恋愛映画の登場人物達はやたらと大声で叫ぶようになった。
「好きだ!」も「死ぬな!」も「バカヤロー!」も
叫ぶことこそがピュアの証であるかのように、
手を繋ぎ、ニケツしながら、海辺で、あらゆるシチュエーションで叫んでいる。
しかし、本作の”僕”は叫ばない。
人と接することが苦手な彼は、大きなトラブルさえ避けられればそれで良いと
誰にも心の内を明かさないまま独りで生きている。
彼女のために何をしてやれるか懸命に考えながら、それを表には出さない。
口をついて出そうな気持ちを全て呑み込んで、務めて平静に振る舞っている。
そんな”僕”の決壊が崩れた時、何が起こるのか。
私はそのシーンで不覚にも泣いてしまった。

ただ、私は原作未読なので詳しくは知らないのだが
12年後のエピソードは果たして必要だったのか、とも思う。
小栗演じる12年後の”僕”と、高校当時の”僕”が上手く繋がらないのだ。
小栗は今、自分の通っていた高校で教師をしている。
老朽化した図書室の取り壊しが決定したため、
本の整理を押し付けられてしまうのだが、そこで偶然会った生徒に
ペラペラと彼女との日々を話してしまうのである。
あれほど大切にしていた彼女の言葉を、偶々そこに居合わせた生徒に
話してしまうほど”僕”は迂闊な人間ではないはず。
終盤で明かされるひとつの仕掛けも、「12年間誰もそれを触らなかったのか」と
興醒めしてしまうし、12年後のエピソードだけ妙に出来が悪いのは何故なのか。
若い二人だけで客が呼べないと踏んで
小栗旬と北川景子のエピソードを付け足したのだとしたら
このやり方は失敗だったと言わざるを得ない。

量産されるお手軽恋愛映画とは一線を画すお薦めの良作だが、
同じく丁寧な作りだった「僕らのごはんは明日で待ってる」がコケてしまったので
特別な仕掛けのないこの映画がどの程度受け入れられるかが心配。
漫然と日々を過ごしている私達も、実は明日どうなるかは分からない。
明日が来ることは当たり前ではないのだと教えてくれる良作。

映画「君の膵臓をたべたい」は7月28日より公開。



▼2017年7月5週公開のその他の映画


07月28日公開■Ticket:「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」
07月29日公開■Ticket:「東京喰種 トーキョーグール」
07月29日公開■Ticket:「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」

一足先に夏休みに突入した子供に続き
今週からは大型連休を使った大人の来客も見込める8月興行に向けて
ユニバーサルの掲げるダーク・ユニバース第1弾の「ザ・マミー」や
窪田正孝主演、千眼美子(清水富美加)らの「東京喰種」など
夏らしくホラーテイストの作品が公開。

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*Amazon取り扱いのムビチケは全てEメールタイプ。
 現物のチケットが郵送されるのではなく
 発券に必要なシリアルナンバーがEメールに送られてくるのでお間違えのないように。